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日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
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「落語論」所感

2009年08月07日 08時49分21秒 | 落語・講談・お笑い
「落語論」(堀井憲一郎)読了。

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「本質論」「技術論」と並んで、
「観客論」という視点を取り上げるところ、斬新で面白かった。
内容・書き方については賛否や好き嫌いがあるだろうな。
全体に、ロジカルに深く詰められている訳ではない。
ただ、それはこの本の目的でもないだろう、と思う。

私は、全体的には書かれていることに同感。
部分部分では、「それは言い過ぎでは?」とか
感じる部分はあったが。
特に
「落語の評論は、すべて嫉妬から生まれる。」
というところ。

私は自分が書いていることについて、
「嫉妬」は自覚していないなあ。
(そもそも私が「評論」を書いているか、というと、
 せいぜい「感想」だろう、という自覚はあるのだが)
「自分が演じるのであれば、こうやるだろう」という思いが、
書いている内容のベースにあるのは確かだが。
ただ、「自分が演じるのであれば」ということすら、
あまり一般的なベースでないと思う。

今の点もそうなのだが、
読みながら疑問に思っていたのは、
「彼は、誰に向けてこの本を書いたのだろうか?」ということ。
私は「自分宛」と感じたのだが、
落語をあまり見たことがない人に対しては
ほとんど伝わらないだろう、と思う。
(ふーん、そんなものなのか、という程度の理解になると思う)
結局、何か
「落語を聞いて、感じたことを発信する人」に対して、
新たな視点を提示したり、制約や限界を示そうとする本、
という感じがする。
コメント (1)
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