朝寝-昼酒-夜遊

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「落語の国からのぞいてみれば」所感

2009年01月30日 07時46分02秒 | 落語・講談・お笑い
「落語の国からのぞいてみれば」(堀井憲一郎)読了。

落語の世界の前提にある前近代性を、様々なネタを元に記述したもの。
(それが良し悪し、ということでなく)
この人独特の言い回しは好き嫌いがあるだろうが、内容は良い本だと思う。
米朝・枝雀至上主義(たぶん、吉朝や松喬の到達点は見ていない)には
違和感がある。
まあ、あまりにも上方落語に無知な連中に比べれば、
元々京都の人なので、遥かにマシ。

私は、自分が元落研、という目で読んでしまったのだが、
何やかんやでハラに持っていたことがまとまっている本、と感じた。
演じる側が手っ取り早く情報をかき集めるのに役立ちそう。
(「ハラ」ということでは、すぐには役に立たない知識も大事なので、
 この本で充分、とは言えないが。)

ただ難しいのは、
自分も客も近代の価値観で生きている、ということ。
単に「前近代はそうだったんだ」と理解して、説明して済ませられるか。
済まない場合もあると思う。

この本で「前近代」のことを知ったところで、
実際にどのように考えて何を表現していくべきか、というのは、
また別の問題だろうな。
コメント (2)
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