北島邦彦の「すぎなみ未来BOX」

元杉並区議会議員(2007-2011)北島邦彦の活動日誌 e-mail kjmirai@jcom.home.ne.jp

予算特別委員会が終わりました

2011年03月10日 | 日記
区議会予算特別委員会が終わりました。明日はいよいよ4年間の区議会最終日です。以下は予算特別委員会にかけられた議案・質疑について、意見開陳(議会用語ですねえ)で述べた意見です。

議案第25号~第28号の来年度予算案に反対します。予算特別委員会に付託された関連議案については、議案第13号については賛成、他の議案については反対します。
民主党・菅政権の大混迷と崩壊的危機は、たんに一政府の危機、一政党の危機ということにとどまりません。日本の政治・政党のあり方そのもの、日本という社会のあり方そのものが根底から崩壊しようとしている、既成秩序そのものが社会発展の桎梏となっているということではないでしょうか。アメリカ・ウィスコンシン州をはじめいくつかの州では、財政破綻による州政府閉鎖もありうる状況に対して、公務員労働者のストライキや州議会占拠闘争が爆発しています。日本においても事態はほぼ同様であり、6月には国家公務員の賃金が支払えなくなる事態も予測され、引き続いて秋から冬には自治体労働者にも同様の事態が現実になりかねません。
チュニジア・エジプト・リビアをはじめ中東全体に広がる体制打倒の闘いは、軍事独裁長期政権に対するたんなる民主化闘争ではありません。歴史的限界に突き当たった資本主義の最後の攻撃である新自由主義―首切り・賃下げ・労働強化と労働者の非正規化攻撃への労働者、とりわけ青年労働者の反撃であり、イスラム原理主義をのりこえた労働者革命です。彼らの闘いは、労働者が団結して非妥協で闘えば、軍事独裁政権さえ倒すことができる、労働者の力で社会を変えることができるということを、全世界の労働者に自信と確信を与える衝撃的なメッセージとなりました。
来年度一般会計予算案においては、特別区債の発行や減税基金への新規積み立て凍結など、財政思想そのものの転換が図られています。その転換にあたっての時代認識・情勢認識にどういう転換があったのか、質疑の中からは明確に浮き彫りにはされませんでした。かつての認識に誤りがあったのならそれを率直に明らかにしなければ、財政施策の転換の是非を究明することさえかないません。
保育施策について、抜本的な練り直しが迫られています。認可外施設である区保育室は、早急に区立認可保育園への統合を図るべきです。施設数と利用者数の増大状況は、5年間も暫定措置を継続すればこの施策の固定化をもたらし、そうなってからでは収拾がつかなくなってしまいます。区保育室で働く保育労働者の賃金をはじめとする労働条件についての不満は根強く、こうした犠牲の上に保たれている現場の安全はきわめて脆弱です。認証保育所増設による対処も、同様の結果をより早くもたらすものとなることは明らかです。民主党政権が進める「子ども子育て新システム」による保育の全面的民営化プランは、現場の切実な要求にはまったく応えることのできない政策です。「新システム」に反対する自治体としての姿勢を明確にすべきです。
杉並区の事業に従事する労働者にとって最大の問題は、非正規化がますます急激に進もうとしていることです。学校現場においても事態は同様であり、教育労働者の非正規化が浸透しています。いまや非正規教育労働者の存在なくして、1日たりとも学校が成り立っていかない状況になっています。それに加えて杉並区の師範館施策は、同じ職場で同じ仕事をしながら雇用主が異なる教育労働者を120人も生み出してしまいました。雇用形態が異なる労働者が同一職場で働けば、そこには必ず対立・分断が生じる構造があります。都費・区費教員の混在は職場における連携・連帯を阻害し、教育に及ぼす悪影響も計り知れません。また、教育人事権の都から区への委譲についての質疑がありましたが、そこで構想されていることはまったく許しがたい教育労働者への首切り攻撃でした。都費教員は都下自治体の教員募集に応募し、各自治体で採否が決せられるということでした。採用されなかった都費教員はどうなるのでしょうか?これは自治体行政にとって“都合の悪い”教育労働者を排除することです。かつて国鉄分割・民営化で、そして社会保険庁解体で強行されたいったん全員解雇―選別再雇用の首切り攻撃が、教育労働者にも仕掛けられようとしているのです。まったく許せません。
議案第10号杉並区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例について。精神障害者1級の認定者に限定し、しかも月5000円という低額にとどまるものです。福祉手当支給を要望しつづけてきた病者の方々とその家族にとっては、ようやくゴールが見えてきたと思ったら本当のゴールは遥か先にあったという想いでしょう。制度充実へのスタート・突破口だという考えもあるでしょうが、条例化すなわち固定化になるという懸念も強くあります。よって当条例には反対することを特に述べます。
また、南伊豆健康学園の廃止には絶対に反対です。そこにこの学校を必要とする子どもたちがいるかぎり、その必要性をかなえるのが教育行政の責任ではないでしょうか。このことを特につけ加えて意見とします。(以上)