Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

ペダル SUN TOUR SUPERBE PRO の構造

2014-10-30 20:31:11 | 自転車整備 ペダル
自転車愛好家や競輪選手から長期間人気を博した SUN TOUR SUPERBE PRO
サンツアーのペダル シュパーブプロの構造を見てみましょう





サンツアーのトラック用ペダルです カタログでは少なくとも 1982 年の物に
Model PL-2000 として掲載されています その後モデルチェンジも有ったのか
PL-VX00 と言う品番に変っています この辺の事は Web サイトのカタログ
データで見ました

※ 上記ペダルの品番 PL-VX00 と書きましたが、その後改めて確認すると
  この品番が見当たらず 私の誤記かも分かりません ここに改めさせて
  頂きます 2014.11.1 Kino






これは競輪選手が使っていた物で NJS の刻印が
有ります クリップ側は綺麗ですが蹴返しの有る
正面はシューズプレートで色が良く剥げています






最近はこの形状に似た物も多く有ります これが
発売された時の事は覚えていませんが 当時と
すれば斬新なデザインじゃなかったのでしょうか






外から眺めると外側にはペダルキャップが無く
ネジの頭が見えています 内側には樹脂のカバー
らしき物が見えます






特に調子が悪い訳では有りませんが 一度内部を
見てみましょう シャフトにモンキーレンチを掛けます






ネジらしい物はここしかないのでアーレンキーを
使いましょう 5mm です




ペダルは逆ネジを使う物も多いですが ここは
どちらでしょう お気付かと思いますが この場面で
このモンキーの使い方は正ネジを想定しています




じわっと力を加えるとネジが緩みました 正ネジです






ネジを抜くと一枚ワッシャーが付いて来ました
綺麗なネジです




外側の内部です シールドベアリングが使われています
剛板シールドです ワッシャーがもう一枚引っ付いて
いました






内側、クランク側へシャフトを引き抜きます






クランク側と外側ではシャフトの太さが違います




外側には先程のボルトが締め込まれる内ネジが
切って有ります




実に簡単な構造です




シャフトの黒い物を外してみます






引っ張ると簡単に外れました やや硬質な樹脂製です
溝が切られた方が内側です




シャフトは特に変わった所は有りません






ボルトに付いていた黒い物も同じ形をしています






内側と外側のシールドベアリングは 全く別の物が
使われています 内径と幅が違う様です 綺麗に
汚れを拭いた下の方が外側です




かなり読み難い大きさの文字ですが(これは私の責任か・・)
拾い書をしてみました 外側は上下どちら側からも読めますね(笑)

外側 698 Z これは内径 8 mm 外径 19mm 幅 6 mm 片側鋼板シールド
内側 6800Z     内径 10mm 外径 19mm 幅 5 mm 同上
Z の記号は片側シールドですね 両側なら Z Z になると思います






ベアリングが外れないかと少し試しましたが
直ぐに外れる感触では無かったです ベアリングを
壊してもいけないのでこのまま組み付けます

樹脂パーツ これはダストキャップですね内側の
溝がグリスを逃がさない為の物でしょうか 防水
効果を狙っているのかも分かりません




樹脂カバーの内側とシャフトにグリスを塗り
クランク側から差し込みます 遊びも無く
きつ過ぎる事も無く、実に気持ち良く入ります






外側のベアリングよりやや控えた所にシャフトの
頭が収まっています ここに薄いワッシャーを 2枚
使います






シャフトを止める為のボルトと樹脂カバーにも
グリスを塗ります






5mm のアーレンキーで強く締め込んで完了です
ネジを締める時のモンキーの使い方です 緩める時と
頭の方向が違いますね 下が先程緩めた時の写真です
この様に使った方がネジの頭を舐め難くなります




グリスで汚れた所は綺麗に拭き取ります 残して
おくと汚れを呼びます

今回は右側しか触りませんでしたが 左側は表の
ネジが逆ネジかも解らないですね 又確認して
おきましょう





もう製造される事が無い SUN TOUR SUPERBE PRO 増える事は無く 
現存する物は減って行くばかりです NJS の認可も 10年近く前に切れました

今回は整備と言える事は何もしていません 今後メンテナンスをする時
ベアリングの交換が必要な時 この記事が役に立てば幸いです


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30 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (にわ まこと)
2014-10-31 09:11:56
にわです。
美しいデザインのペダルですね、足で踏むのがもったいないようです。なぜかペダルには興味があって、目新しいのが吊ってあるとついつい目が行きます。最近気が付いたのですが、シャフトを回した時にゴロゴロっという感触のものとスーッと滑るように回るものがありますね。そうか、シールドベアリング式なんですね。
機械要素設計を少しばかり齧ったので分かるのですが、オーソドックスでとっても良い構造です。シャフトの段付き構造も、とっても良いです。コストを下げるために同じベアリングを使って、段付きの代わりにC型止め輪に走りがちですが、あの方法は手抜きだと思ってます。玉押しの微妙な調整も必要ないし、今度ペダルを買う時はシールドベアリングタイプにしてみようかな?
返信する
にわさん (Kino)
2014-10-31 19:11:22
ペダルのゴリと回転の軽いのは シールドベアリングが原因では決してないですね

既存のカップ&コーンの物でも嘘の様に軽いのは存在します 回転の渋いのは精度の差じゃないでしょうか

そうかこのシャフトの先端の段は シールドベアリングを押える為の物だったんですね 気が付きませんでした

シールドベアリングの難点は 
ベアリングを収める嵌め合い部分とシャフトが必ず直角を保っていないといけない事ですね
これが狂うと手が付けられないと言う事にならないでしょうか
カップ&コーンの構造は そこの許容範囲が広いですよね
返信する
Unknown (にわ まこと)
2014-11-01 09:49:06
再びにわです。
kinoさんのコメントを読んでて、ふと思ったんです。私の機械との付き合いの中で、分解するとボールが転がりだすようなものは無かった。だからkinoさんのブログを見たり、自分のペダルを分解してみて、すごく面白いと思ったんです。でも、自転車の軸受構造が特殊なのではなく、もともと機械の軸受構造走はカップ&コーンだったんじゃあないかと思うようになりました。それが、時代の流れとともに高荷重・高速回転になり、アウターレースとインナーレースを持つボールベアリングになっていったんでしょうね。
もう一つ、自転車は柔の設計でそれ以外の機械は剛の設計だと思います。シャフトが荷重で撓んだりするところでは、kinoさんのおっしゃる様に、カップ&コーンの方が適していると思います。一体型は、ベアリングそのものが精密すぎて、逃げるところがないですね。カップ&コーンは、コンパクトに設計できるし、構造的に重複するところがないから、重量も断然軽くなると思います。
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Unknown (にきち)
2014-11-01 12:17:03
私もロードタイプを持ってます。確か薄いワッシャを入れたり、外したりして当たり調整するような構造だったと記憶しています。
長らくレーサーで使ってましたが、SPDタイプに交換して以降、パーツ箱の中で惰眠をむさぼってます。シールドベアリングなので、メンテしなくて良いかなって勝手に思ってましたが、暇を見つけて整備しようと思います。
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にわさん (Kino)
2014-11-02 00:04:30
自転車にシールドベアリングを使い出したのは
防水性 それに伴うメンテナンスの頻度を下げる
そんな処かと思いますが

じゃシールドベアリングが絶対に良いのかと言えば
上位グレードのパーツが今でもカップ&コーンを使っているので必ずしもそうでは無いのでしょうね

自転車の回転数って一番早く回る所で 800回転/分程度ですから・・
返信する
にきちさん (Kino)
2014-11-02 00:06:39
このペダルはワッシャーで当りの調整が必要な程 物に依って一定ではないのですか?

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Unknown (ランス)
2014-11-02 08:06:07
にわさんの剛と柔の設計の違いというコメントは興味深かったです。従来カップアンドコーンだったものを単純にシールドベアリングに置き換えては駄目ということなんですね。近年Gokisoハブという超高級なハブが出現しましたが、あれはその辺のことを考慮した新設計だと理解しています。
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Unknown (にきち)
2014-11-02 08:25:13
カップ&コーン式ではなく、シールドベアリングタイプだけど、ベアリングの摩耗に合せてスペーサーを出し入れするというのが謳い文句だったような気がしたんですけど。そもそも分解したことない当方の記憶ですので、少し確認してみます。
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Unknown (にきち)
2014-11-02 08:34:28
ってフリーホイールの玉当り調整と間違えてましたか。すみません。
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Unknown (にわ まこと)
2014-11-05 10:49:05
再々度にわです。
ご存じとは思いますが、最近アイドラープーリー(自転車ではありません)をMonotaroで購入したら、メカトロのカタログも送ってきました。kinoさんのメモ書きのベアリングを調べてみたら、片Zは無かったのですが、ZZでベアリングがありました。200~300円ぐらいで、1個から購入できますね。便利な時代になったものです。
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