音羽山清水寺
(おとわさん きよみずでら)
京都市東山区清水1-294
神仏霊場京都 洛土の道・第37番札所
洛陽三十三所観音霊場・第10~14番札所
西国三十三所霊場・第16番札所
仁王門と三重塔。ここからが清水寺の境内です。
〔宗派〕
北法相宗総本山
〔御本尊〕
十一面千手観音像
(じゅういちめんせんじゅかんのんぞう)
京都を代表する寺院として、日本はおろか世界にまでその名を知られる清水寺。年間を通じて実に1,200万人近い観光客が訪れる京都観光の中心地です。その清水寺の創建は今より1,200年以上前の奈良時代末期に遡ります。大和国出身の僧・賢心が「木津川の北流に清泉を求めよ」という夢のお告げを受けて東山の地に辿り着きます。そこで賢心は、音羽山の麓にある滝のほとりで庵を結んで修行をしている一人の行者と出会いました。齢200歳を越えるという行叡居士と名乗るこの行者は、観音菩薩の霊木を授け、その地を託してどちらともなく姿を消します。賢心は授かった霊木で千手観音像を彫り上げ、居士が結んでいた庵に安置しました。奈良・平城京から長岡京へと都が遷る少し前の778(宝亀9)年の事でした。
紅葉に包まれる三重塔。日本最大級の三重塔で、31mの高さを誇ります。
その2年後の780(宝亀11)年、賢心が修行を続ける音羽山麓に一人の武人が足を踏み入れます。武人の名は坂上田村麻呂。妊娠中の妻の病を癒すために鹿の生き血を求めてやってきた坂上田村麻呂公は、水を求めて立ち寄った音羽の滝で賢心に出会います。事の顛末を聞いた賢心は殺生の非を説いた上で夫人の安産の祈願を行います。その甲斐あって、無事出産を終えたことを喜んだ坂上田村麻呂公は深く賢心に帰依して堂宇を建立し、観音像を御本尊に、脇侍に地蔵菩薩像と毘沙門天像を安置しました。賢心は延鎮と名を改め、師である大和国・子島寺の報恩大師を開山に迎えて寺院を創建します。
「清水の舞台」として有名な本堂は1633(寛永10)年に再建。国宝に指定されています。
御本尊の十一面千手観音菩薩像は秘仏とされ、33年に一度しか御開帳されません。
810(弘仁元)年には嵯峨天皇の勅許を得て鎮護国家の道場と認められ、延鎮上人ゆかりの子島寺が「観音寺」と呼ばれていたことから「北観音寺」の法号を賜い、音羽の滝の清水にちなんだ「清水寺」の額が掲げられました。847(承和14)年には三重塔が建てられるなど伽藍の整備が進み、老若男女・貴賎を問わず広い層から崇敬を集めました。清少納言や紫式部もそれぞれ枕草子や源氏物語にその盛況ぶりを記しています。
奥の院(重要文化財)に安置されている三面千手観音菩薩坐像も秘仏とされています。
毎年、年末に発表される「今年の漢字」はここで発表されます。
広い信仰を集めた清水寺も、976(天延4)年の大地震で三重塔が倒壊するなど何度も天災や大火で深刻な被害を受けています。京都では珍しい南都六宗のひとつ・法相宗の寺院だった清水寺は、999(長保元)年に奈良の興福寺と本山末寺の関係を深めていましたが、そのために興福寺と対立していた比叡山延暦寺から圧力を受け、1146(久安2)年と1165(永万元)年にはその門徒によって焼き討ちされました。応仁の乱の際にも兵火に巻き込まれた清水寺は、1469(文明元)年に本堂以下境内の大部分を焼失するなど壊滅的な被害を受けましたが、1484(文明16)年に再建。江戸時代の1629(寛永6)年にも大火で境内全域を焼失しますが、江戸幕府第3代将軍・徳川家光公や後水尾天皇の中宮・東福門院の尽力によって1631(寛永8)年から1633(寛永10)年にかけて諸堂の再建が進められました。現在の伽藍は大部分がこの時の再建によるものです。明治維新後は神仏分離令によって地主権現社が地主神社として分離独立。次いで出された上知令によって境内の7割以上が没収され、寺領も1割程度に減らされるなど大変厳しい状況を強いられました。明治維新まで法相宗と真言宗の兼学道場だった清水寺は1965(昭和40)年に独立宗派である北法相宗を立宗しました。
「清水寺」の由来となった音羽滝(左)と、紅葉に包まれる清水の舞台(右)。
アクセス
・JR「京都駅」より京都市バス206・100系統「五条坂」バス停下車、東へ徒歩10分
清水寺地図 【境内図】 Copyright (C) 2000-2006 ZENRIN DataCom CO.,LTD. All Rights Reserved.
拝観料
・大人:300円、小中学生:200円
※夜間特別拝観期間中は、夜間の部が大人:400円、小中学生:200円
拝観時間
・6時~18時 (夜間特別拝観期間中は17時30分でいったん閉門されます)
※夜間特別拝観期間中は、夜間の部が18時30分~21時30分まで公開
公式サイト
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