ベルばか日誌

ベルばら好き主婦、Kimeの妄想満載「ベルばか日誌」
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マロングラッセさん

2011-10-05 09:57:31 | ベルばか日誌
マロングラッセの作り方はとても手がかかります。
まず渋皮を向いた栗を一粒ずつガーゼで包みます。
その栗をシロップで煮るのですが、糖度を気にしつつ、1~2時間ほど煮てはそのまま冷まし一晩なべにつけておく、というのを10日間くらい繰り返すのだそうです。
見た目はシンプル、素朴なお菓子ですが、実はとても贅沢な品なのですね。
高価なのも納得です。

と聞かされたのは大学1年生の頃、付き合い始めた頃の現てーしゅが滔々とうんちくを傾けたのです。

何でこの人は、マロングラッセについてこんなに語るんだろう、と思いました。
食べ物の話が非常に好きな人だ、というのは付き合う前から知っていましたが、それ以降彼がマロングラッセについて語ったことはありません。

先日思い出して尋ねてみたところ、
「え?俺そんなこと言った?一粒ずつガーゼに包んで砂糖を入れた水で何日も煮て、って?」
そうそう、その通りにしゃべってたよ。
しかし本人、まったく記憶なし。
きっとどこかで作り方を知り、誰かに披露したかっただけなんでしょうな。
実際、彼はマロングラッセ、あんまり好きじゃないそうです。
「手がかかってるのはわかるんだけどさ、食ってもだから何なんだよ、って感じじゃん」
あんた、そんなにしょっちゅうマロングラッセ食べてるの?
「うん、何だか知らないけど、昔は時々食ってた」


私は、モンブランに時々のってるマロングラッセ、非常に好きです。
大学時代、家庭教師のアルバイトをしていたことがありまして、そのお宅が大きな駅前の開業医でした。
つまりはお金持ちです。
週1回の授業の後、お茶菓子が出されたのですが、ケーキなどと共に時々マロングラッセ1粒をつけてくださいました。
看護婦さんに「奥様」と呼ばれている美人のお母様との会話に緊張しつつ、頂いたものです。
このバイト、成果が上がらなかったので半年ほどでクビになりましたが、私の人生でちゃんとしたマロングラッセを単品で食したのは、この半年間だけだったかも。