目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

HERO ★★★

2007-11-01 00:22:36 | ★★★
フジテレビで高視聴率をキープし続けたドラマが
劇場版として放映されるということで
公開初日に見てきました。
木村拓哉演じる型破りな検事、久利生公平が
難事件に挑む、ということで基本スタイルは
ドラマを踏襲し、被害者の立場に立った、
徹底的な真実の追求、事件に大きいも小さいもない、
といった内容の物語でした。とりあえず
劇場版として放映するためにはドラマのスケールが
テレビと同じではしょぼいので、2時間テレビスペシャルからの
伏線を張ってあったり大物政治家を絡ませたり、
無理やり韓国ロケを敢行、韓流スターをちょっとだけ登場させたり。

まあ、そんな小手先のスケール感アップは
劇場に見に来ている人たちはすぐ見破れるわけで。

というか、これ、テレビでいいんじゃない?

残念ながら劇場でする意義はあまり
感じられませんでした。出来ることなら、
去年放映されたテレビスペシャルの内容は
あまり踏襲せずに
「映画に与えられた2時間だけで」法廷劇を
確立させて欲しかった。

「ニューオーリンズトライアル」など、ちょっとした
法廷モノでも充分に観客を惹きつける方法、
見せ方はいっぱいあるのに、敢えてそれをせずに
ドラマからの流れにとことんこだわったのは
正直、初めてこの作品に触れる人たちのことを
100%無視した行為だと思うし、
それなら「テレビでよくね?」と思ってしまうのは
当然のことではないでしょうか??

見所は
・キムタクの革ジャケ
・ラストシーン
・イ・ビョンホン(やっぱりかっこいいね)
・「あるよ」


これくらいでしょうか。

逆に残念なところもいっぱいあります。
敢えて一ついうなら私はラストシーンはがっかり。



なんというか、テレビシリーズで再開すれば
よかったのになあ。
キムタクの場合は「武士の一分」で
ある程度、役者としての技量も証明しているのだから
こういう仕事を期待されているのもわかるけど
映画という舞台ではもっと挑戦を続けていってほしいです。

映画 クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ! ★★★

2007-11-01 00:21:06 | ★★★
アニメだと思ってナメて見てたら序盤、超こわい。

ちょっとしたホラー映画よりもよっぽど怖い。

この内容はB級SFホラーなどによく見られる手法ですが
それをこの平凡な平和なアニメーションで突然
見せられると準備ができてなくて
泣きそうになる。。。

後半は超強引すぎて笑うしかない神展開。
というか、序盤がよかっただけに
途中からのいい加減すぎる展開である意味安心、
ある意味がっかり。まあ、
子供向けだしねえ。あんまり期待しすぎるのも
ダメよね。

でも期待以上のものを残していってくれたと
思います。

殯(もがり)の森 ★★★

2007-11-01 00:19:54 | ★★★
普段はあまりこういう単館系の映画は観ません。

ただ、こういう映画を観ると
自分が普段、いかに「楽をして」
映画を観て、大量消費しているかが
いやおう無く思い知らされます。

人が永久に失ったものの存在の大きさというのは

他人には未来永劫わかりません。
それは、たとえ自分が同じような苦しみを
味わったとしても、です。

やはり、他人と自分は同一化は図れないわけです。

認知症の老人を自然体の演技で演じる
うだしげきさんは普段は古書喫茶のマスター、
という役者に関してはまったくの初体験。

そうとは見えない演技力でその心の
癒されない傷をスクリーンに描き出していた。

ストーリーとしてはそれほど、
細かい伏線があるわけでもなく、淡々と
徐々に心の交流を描いていく。

後半の序破急の急にあたる展開で
映画はとても深い味わいを見せる。

全編に渡って、ハンディカムで撮影したかのような

自然な視点が映画の世界に観客を引き込む。

残念なことはあまりに自然を意識したのか、
カメラワークがかなり見る人を疲れさせることだろうか。

映画自体の出寄不出来には関係ないといえば
嘘になるが、それを気にさせないくらい
映画としてはよく筋の通った作品ではあった。

クローズド・ノート ★★★

2007-11-01 00:18:11 | ★★★
今日公開の映画を観てきました。

さてさて、行定監督は「GO」、「世界の中心で愛をさけぶ」で一躍有名になりましたが
行定監督は情景を情感たっぷりに
フィルムに焼き付けることにかけては
天下一品だとおもうんですよね。
この映画でも京都あたりをロケ地に
かなり美しい情緒たっぷりの映像を数多く
残してくれています。
その辺りは大変見所となっております。

主演の沢尻エリカはテレビのバラエティでの
立ち居振る舞いの印象はあまりよくなかったのですが、
演技はさすがの一言。
教師を目指すマンドリン部の女子大生という
割合平凡な役柄を魅力的に演出している。
「手紙」や「シュガー&スパイス」でも
好印象だったが、さらに良い女優になったと思う。走る姿が好印象。若干演技が行過ぎる部分も
あったけど概ね役柄になりきっていたように
思います。

竹内結子に関しては私は全肯定なので
批評とかできません、すみません。
よかったです。控えめながらに
存在感のある役柄で観ていてとてもよかったです。

タイアップのYUIの曲がエンドロールで
流れますが、歌詞の内容もかなり映画を意識した
歌詞となっており、若干やりすぎ感もありましたが
曲自体はとてもよい曲でタイアップ効果は
かなりあるのではないでしょうか??

残念なのは脚本、でしょうか?
あ、むしろ演出でしょうか。
なんというか終盤、映画らしいシーンが
いくつも登場します。
まあ、映画だしフィクションであると言えば
それはそれまでなのですが、結構
観ている方は冷めかねないような
凝った演出があり、そういった意図が
ひしひしと伝わってきてあまり良いとは
思えませんでした。ただ、終盤までの流れは
非常に予想はしやすいにしても、とても
うまく作りこんであると思います。
(予告編でほとんどわかってしまうような
予告編を作る宣伝側もどうかしてますが)

前評判抜きにしてみたら結構面白いと思います。