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世間遺産放浪記



先日、オーベルジュ・コヤマの小山さんに
お友達(藤田洋三さん)の写真集を貸していただきました。

そのなかの“一つ目の石神(しゃくじん)”が大変気になりました。
場所は大分県竹田市直入町とあります。
すぐ検索入れると、一件もヒットしません。
が、著者は「長年筆者が愛する造形のひとつ」と
書かれています。

検索で一件もヒットしない謎の造形物をぜひ見てみたい・・・



不勉強にして、「土神」というものがあることを知りませんでした。
長崎のお墓には必ずといっていいほどこの神さまが
祀られているという。
土地のまもり神であるとともに豊穣をも司っているらしい。
土の字のなかに赤い色が塗られているところなど
非常に興味深いです。

土(ダート)→きたない(ダーティ)という言葉をうむ文明がある一方
「土神」という存在を祀る文明があるわけです。



小山さんに貸していただいたのは「世間遺産放浪記 俗世間篇」です。
どのページを見ても共感しました。



そこで私が撮った世間遺産です。
江戸時代の竹田の画家・得一(渡辺蓬島)の墓。
竹田の文人画家・田能村竹田の先生です。

ガマガエルの背中の上に円柱型の墓が乗っています。
何という墓でしょう。こんな墓、見たことがありません。

両側のフェンスが無粋きわまりないのが残念ですが
何ともユニークで、印象的です。



このガマガエル、深刻なところがありません。
ここが墓地であることを忘れてしまいます。
本当は死は深刻なことではないんですね・・・