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びっくりグミ



エンジェルファームの前庭のグミ(大粒品種のびっくりグミ)が赤く熟してきました。ちょっと食べてみると、甘みと渋みと酸味が混ざり合って・・・美味しいといえば美味しいけれど、ちょっと渋みが気になるところでしょうか。もう少し待つと、もっと赤みが濃くなり、甘みが増し渋み酸味が減ります。



一昨日の様子ですが刻一刻変化して
どんどんみんなが赤くなっています。
その赤い色素がリコピン。抗酸化作用を持つポリフェノールです。
トマトのリコピンが有名ですね。

抗癌効果が知られるリコピンをグミは豊富に含みます。
副作用のないオクスリのような果実です。



びっくりグミの花です。4月19日撮影。
そのころ撮った10周年の樹形です↓
10年も経てば本当に立派になります。
セラピーを学ぶ人々の見本となる樹です。

日本ハッカ



エンジェルファームでは、ペパーミント、アップルミント
ボールズミント(ケンタッキーカーネルミント)、スペアミントと
このジャパニーズミント(日本薄荷)を栽培しています。

前はペニーロイヤルミントやオーデコロンミント、クールミント、ベルガモットミント、エンペラーズミントなども栽培していたことがありますが、今はマニアックにならないように注意しています(^_^;)



エンジェルファームの裏庭に繁殖する日本ハッカ。
日本ハッカは有効成分のメントール分が抜群に多く
戦前は主に北海道で盛んに栽培されていました。
昭和12年には374トンを生産し
日本が総輸出額で世界第一位だった。

今の日本は、ほとんどハッカを生産していませんが
それは本当に残念なことだと思います。
ハッカのお茶を飲んでみたらわかるんですが
クラクラするほどメントールが効きます。

10年以上まえ、北海道から「ハッカ北斗」という品種を
取り寄せみましたが、素晴らしくいい香りがしたものの
大分の気候に合わないのか、繁殖力が乏しかった。

たまたまある園芸店で出会った日本ハッカの苗を植えてみると
香りよく繁殖力も良好です。

日本ハッカ、みんなで復活させませんか?
苗はいっぱいあります。
桂子はこの解毒力に注目しています。
サラダ、デザート、ソフトクリーム、パック剤・・・・
ハーブティー以外にも使いみちはいっぱいあります。

続ヒョウタンカボチャ



先日話題にしましたヒョウタンカボチャ。
先週菜園で撮りました。



まっぷたつにしたところ。



この写真で伝わりますでしょうか?
去年の9月に収穫したカボチャですが
まだ瑞々しい。切り口から水分がしみでています。
これを研究用として研修生の美樹さんにあげました。



彼女はこれをスープとサラダにしました。
スマホでサラダの写真を送ってきました。
上にのっている緑は、エンジェルファームの中庭で栽培しているセリ。

ヒョウタンカボチャのなめらかな舌ざわりや甘みを生かして
ヒョウタンカボチャソフトというのも考えられます、
この夏、美樹さんに試作してもらいましょう。



種もいっぱいとれました。長さは1cm前後です。
こんな種から、あんなヒョウタンカボチャが多量に育つことが
神秘ですね。
直径0.1mmの受精卵が、私たちになっていく神秘です・・・

柿の葉茶



エンジェルファームの裏山の柿の樹(中央)。
昨日、桂子と美樹さんがこの葉を摘んで柿の葉茶を作りました。



柿の樹を見上げる。



柿の葉をハサミで切る研修生の美樹さん。
エンジェルファームの自然療法の考え方に基づく“食”の分野を
担当するべく新潟からやってきました。
http://www.facebook.com/#!/profile.php?id=100003514037029
↑よかったらfriendになってください。



摘んだ柿の葉。
農薬をやっていないのに虫食いもほとんどなく
きれいで健康的です。こういうのなら安心して飲めます。



これを少しずつていねいに蒸します。



蒸したあとはザル等で乾燥させます。



昨日は乾燥していたので、すぐにカラカラになりました。



ふつうはもう少し太陽にさらしたり、時間を置くと
いい感じに仕上がるのですが
昨日たまたま遠方から友人が訪ねてきたので
不本意ですが、できたてを試飲してもらいました。

市販の柿の葉茶にありがちな渋みえぐみはいっさいなく
「癒された」「非常に美味しい」と友人は感嘆しました。

手間ひま愛情かけた手作りの柿の葉茶の美味しさを
知っている人は非常に少ないと思います。
こういうのをこの地方のレストランや宿泊施設で
だしてほしいですね。お客さんは大感動されると思います。

ビタミンCが普通の緑茶やレモンの10倍~20倍含まれているそうです。

カモミールティー



エンジェルファームの前庭に勝手ばえした
満開のカモミールの花を摘んでフレッシュハーブティー。



前庭がカモミールに占領されています。
種まきしたのではない
水やりしたのではない、肥料をやったわけでもない
もちろん農薬をやったわけではないのに
こぼれ種が勝手に発芽し生育し開花しています。
何の世話もしません。
ひょっとしたら年々、種が強健になっているかも知れません。



ハーブ園があって、お客さんが自分に必要なハーブを
自分で摘んでもらうようなカフェがあってもいいと思います。

大地に立って植物に触れる体験は重要だと思います。
テントウムシやハチやアブやトンボを身近に観察すること
太陽の光を感じ、鳥やカエルの声を聞き
静寂を楽しむことは重要な体験だと思います。

そこにカモミールやミントやレモングラス等の説明ができる
笑顔の素敵なスタッフがいたら・・・
人気のある新しいスタイルのカフェになると思うのですが。

ヒョウタンカボチャ



今夜二つ目の投稿。
一昨年の9月末に撮りました。
ヒョウタンカボチャの収穫。
というと大切に育てたようですが、そうではないんです。

前年度に実ったヒョウタンカボチャを収穫せず
放置していたら種が勝手に発芽し勝手に育った。
“勝手ばえ”というやつです。

全く世話をしない。水やりは一度もしない。
草取りもしない。有機肥料も化学肥料もやらない。
化学農薬も自然農薬もやらない。

それなのに、二株ほどが勝手にたくましく生育し
これほどの実をつけました。多産系なんです。



極端に雨が降ったり、雨が降らず日照りが続いたり
熱かったり寒かったり強風があったり・・・・

野外で農業するのが難しい。
こんな時代になってくると、こういうものすごくたくましいやつが
脚光を浴びていくのではないでしょうか?

確かにふつうの日本カボチャとは食感が違います。
82歳の母は嫌い、二度と作ってくれるなと言います。

でもヒョウタンカボチャは料理の仕方によっては
従来の日本カボチャより美味しいものができると思います。
特にスープやサラダやデザートの分野です。



今年もまた菜園に勝手に発芽しています。
怖ろしいやつ。ものすごい生命力です。
一昨年、去年はそのまま放置し、たくさんの実ができましたが
今年はどうしよう?



去年収穫した一個がまだ、この姿で残っています。
つまり保存性もあるということです。
こんな品種こそこれからの時代に重要ではないでしょうか?

明日まっぷたつにして種を取って
欲しいひとにこの種を分けようと思います。

ガートルード・ジェキル



エンジェルファームに素敵なバラが加わりました。
ガートルード・ジェキルというイングリッシュローズ。
花が終わるまでは鉢植えのまま楽しんで
そのあと菜園に直植えします。



↑ガーデナーであったガートルード・ジェキル。
彼女の名前をもらったこのバラは芳香が強く
香水の原料とされているそうです。



エンジェルファームに来たかぎりは農薬をやらないので
早速ハナムグリがもぐり込んで花粉を食べています。
花農家なら身震いするシーンなのでしょうが
無農薬の花弁をお茶にしたりお風呂に浮かべたい私たちとしては、ハナムグリより農薬に身震いします。



桂子の強い要望でこれも入手。モーリス・ユトリロ。
フランスの画家ユトリロの名前がついています。
ユトリロの絵とこのバラの色彩は結びつきません。
香りをイメージしたのでしょうか?

手作りコンポスト



倉庫に残っていた金網と園芸用支柱で作ったコンポスト。
制作時間約10分。

生ゴミを入れるとハエや蚊が寄ってくるので
その対策として、裏山に豊富にある腐葉土または
腐葉土化しつつある落ち葉を入れています。

腐葉土の臭いは放線菌の臭いだそうですが
なぜかハエも蚊もその臭いを嫌います。

あと米ヌカやモミガラ燻炭なども入れたいところです。



通気性抜群です。生ゴミが過剰に持っている水分も
すぐに飛ばすことができます。

よくある市販のポリエステル製のコンポストは
水分が抜けないのでジトジトして
結局は発酵ではなく腐敗のプロセスが起きてしまいがち。

あのコンポストを使ってじょうずに堆肥を作ることが
できる人はどれぐらいあるでしょう。

私もいろいろやってみましたがほとんど失敗しました。
ウジがわくのにも困りました。
ただうちの場合は、ウジがわいたらそれをごっそり
ニワトリ小屋に持っていきます。
ニワトリは狂喜して一匹のこさず食べ尽くします。

江戸時代の農書にそうやっって意図的にウジを発生させて
ニワトリのエサにする方法が書かれていました。



最近、ダンボール箱で生ゴミを堆肥化する方法が
普及しているようですが、これがうまくいくのも
水分がうまく抜け通気性がいいからだと思います。

久住サンクチュアリ



エンジェルファームの散歩エリアに
山王橋という三連の素晴らしい石橋があります。
山の王、山王というネーミングが気になっていました。



山王橋に隣接して日吉神社があって
境内に強い気を放つイチョウの樹があります。
雷が落ちて焼けたあとに、ひこばえした数本が
そのまま大きくなっています。

その日吉神社と山王の関係が気になっていました。
昨年ふとWikipediaで調べて、その関係と最澄とのつながりが
わかりました。


最澄像:兵庫県一乗寺蔵

最澄が唐に留学して天台宗を学んだ天台山国清寺では、周の霊王の王子晋が神格化された道教の地主山王元弼真君が鎮守神として祀られていたという。唐から帰国した最澄は、天台山国清寺に倣って比叡山延暦寺の地主神(じぬしのかみ)として日吉山王権現を祀った。

Wikipediaの説明を続けます。

音羽山の支峰である牛尾山は、古くは主穂(うしお)山と称し、家の主が神々に初穂を供える山として信仰され、日枝山(比叡山)の山岳信仰の発祥となった。
また、古事記には「大山咋神。亦の名を山末之大主神。此の神、近淡海国(近江国)の日枝山に座す。また葛野の松尾に座す。」との記載があり、さらには三輪山を神体とする大神神社から大己貴神の和魂とされる大物主神が日枝山(比叡山)に勧請された。
日枝山(比叡山)の山岳信仰、神道、天台宗が融合したのが山王神道である。
山王権現(日吉大宮権現)は釈迦の垂迹であるとされ、神仏分離では大山咋神とされた。
また、「山」の字も「王」の字も、三本の線と、それを貫く一本の線からなっており、これを天台宗の思想である三諦即一思想と結びつけて説いた。

昨日、猪鹿狼寺の老和尚はこの寺は山王一実神道を
護持してきた寺であると最初に語られました。
それを聞いたときゾクゾクッとしました。

エンジェルファームの近くにある日吉神社。
私が生まれた京都市下京区西七条から見ると
北東の方角だった比叡山。
心ひかれて大分に移住するきっかけのひとつになった久住山。
月曜日に訪ねた久住山中にある久住山慈尊院本堂跡。
しょっちゅう横を通っていながら、いつも通り過ぎるだけだった
現猪鹿狼寺。

それらが伝教大師最澄を軸としてつながりまりました。
それはインド発祥の仏教、中国発祥の道教(タオイズム)
日本古来の山岳信仰(修験道)と神道が融合されたものでした。
久住山はもともとそういうスピリチャルな聖域
サンクチュアリだった・・・

だからヘタに観光化されなかったことは幸運でした。
サンクチュアリというコンセプトでこの地を見直しましょう。

猪鹿狼寺和尚



猪鹿狼寺はエンジェルファームから久住高原に向かう
国道沿いにあってよく通ります。必ず横を通ります。

どれだけ通ったかわかりません。
いつかゆっくり立ち寄ろうと思っているうちに多くの年月が流れましたが、とうとうその日がやって来ました。和尚さんのお話をお聞きするという最高のかたちで・・・





江戸時代に作成された古地図を説明する和尚の手。
和尚は大正11年生まれで今年の夏、90歳になられるそうです。
ご自分で車を運転して葬祭場に向かわれる現役です。
言葉はよどみなく腹から声をだされる。



猪鹿狼寺に伝わる古文書(江戸時代・文政6年)を読みながら
この寺の創建や命名の由来を説明する和尚の手。
この古文書、ずば抜けて素晴らしい達筆でした。
和尚はこれをすらすら読まれます。



久住山は、もともと山上の御池が上宮神池と崇められ
ご神体が健男霜凝彦命とされる霊山であったそうです。

若き最澄が唐への留学から帰国したとき、ここに大和院慈尊院を創建し、唐から持ち帰った十一面観世音菩薩を安置したという。それから間もなく、ここを観音令法久住の霊地として久住山と改めた。

つまり観世音菩薩の真理の教えを久しく住まわせなさい、永久に守りなさいというメッセージが「久住」という名に込められているわけです。

そのような古い歴史を持つ寺院が1500年代に薩摩の攻撃にあって
全焼し、そのご猪鹿狼寺と改名して今日訪ねた場所に移転したという。
和尚は移転して23代目。



寺に伝わる慶応4年の古文書にも
本尊として、この十一面観世音菩薩の名前が出てきます↓



観世音菩薩は「観音さま」です。
般若心経の「観自在菩薩」です。

久住山猪鹿狼寺



ずいぶん前から気になっていたところを
昨朝やっと訪ねることができました。
しかも「久住高原みちくさ案内人倶楽部」の中山さんの案内で。

全く別々の人生を歩んできた3人が
ひとけのない山道を一緒に歩いている不思議・・・
しかも名前がちょっと似ている不思議。

先頭が中山さん、その後ろがオーベルジュコヤマの小山シェフ。
ナカヤマとコヤマとカヤマでした。



山道に苔むした人工石が残っています。
久住のこんな山のなかに伝教大師・最澄が創建した大寺院が
あったといいます。当初は大和山慈尊院という名前だったという。



今はもうこんな小さな祠や建物の基石が残るのみ。
本堂跡に建っている看板です↓。



どうしてこんな山のなかに大きな僧坊が存在できたのかと
思いましたが、隣接して大野川源流となる沢水がありました。





見上げると新緑が美しい・・・素敵なパワースポットでした。

京都の比叡山・延暦寺を創建した最澄と
久住山を結ぶ不思議な赤い糸。

明日は現猪鹿狼寺(いからじ)住職の老和尚にお話を聞く予定。

植物の神秘生活



アメリカのウソ発見器捜査官、クリーブ・バクスター氏。
1964年、ふと近くにあった観葉植物のドラセナの葉に
ウソ発見器をつないでみたことから
植物意識についての驚くべき発見が始まりました。



The Secret Life of Plants という本に
バクスター氏の偉大な発見が取りあげられています。
邦題は「植物の神秘生活」(工作舎刊)です。

私は約20年前に初版を購入しました。
大阪で暮らしていた時代です。

↓この本の映画版ができていたことを最近知りました。


この映画の中に、工学博士の橋本健先生が開発された植物意識探査機が
出てきます。先生の奥さんがサボテンと交流しているところです。



実は大分に来てから、この探査機の普及版を購入しました。
10数万円くらいだったと思います。
ドラセアからアロエ、サボテン類等、いろいろ試してみましたが
ハーブのレモングラスがお喋りであることがわかりました。

ただ、今の時代はまだこういうことは「怪しい」と見られ
田舎で仕事をしていく上で不利益になることがわかり
これを使うことも話題にすることも封印したのでした。

あれから約13年になります。
もう今なら、大丈夫でしょうか?

バクスター氏がドラセナにウソ発見器をつないでみたときから
48年が流れました。
けれどバクスター氏の研究は今だ一般常識とはなっていません。
大阪の長居植物園のブログが話題にしていますが・・・
http://nagaibg.blog89.fc2.com/blog-entry-247.html

ダンスする犬



ダンスする鳥がいるなら
ダンスする犬がいるだろうと思ったら
サルサを踊る犬がヒットしました。

このチワワは自分でこの踊りを学んだのだと説明されています。
ショーのために強制されているのではないので
動物虐待と誤解して欲しくないと書かれています。



別のチワワがサルサを踊っています。
同じサルサでも少し芸風が違っています。



このチワワがジャズを踊っています。
曲想によって踊り方が違うことがわかります。



また別の犬がサルサを踊っています。
これはショーです。このダンスは高度です。
そうとう訓練したのでしょうね。
でも訓練でここまでやれるのすごいと思います。
個人的には好きではありませんが。

ともかくこの動画を見て、上の2匹のチワワも
訓練された可能性はあると思いました。

あるいはカメラには写っていないけれど
犬の前で人間が踊っており、それを模倣しているだけという
可能性を否定できません。

昔、足し算ができる犬がいましたが、それは
そういうメカニズムでした。
飼い主のちょっとした仕草を見ているんですね。

昨日アップしましたダンスする鳥の場合は
訓練されたものではなく自発的なダンスだと思います。
ところが犬のダンスは、これらの動画に関しては
自発的な遊びの要素を持ったダンスかどうかはわかりません。
訓練されたものだとしてもすごいと思いますが・・・

鳥のダンス



ダンスする鳥、去年の1月にもブログで話題にしました。

鳥に遊び心があって、鳥がダンスを楽しむ・・・
これは哲学や科学、社会常識をくつがえす革命的映像です。

17世紀フランスの近代哲学者、ルネ・デカルトは
動物は機械のようなものであって、それを殺しても
罪悪感をいだく必要はないと述べました。

彼は動物を機械とみなしていました。
同様に人間の動物的部分である肉体を機械とみなしました。
人間は神を認識する高次な精神と機械であるところの
動物的な肉体を持っているという考え方・・・

それが精神と物質(肉体)を分離する近代の考え方
それが近代医学の原点となり、それによって肉体についての科学的解明が飛躍的に進んだのは歴史の事実です。

それにしても、機械は遊ぶことはできませんが
このスノーボールと名づけられた鳥は
ダンスを楽しみ遊んでいるように見えます。



このテレビ番組に登場する日本の若者は
この鳥に対してハートフルに接したことで
すぐに鳥に受け容れられた。
そのアンチデカルト的なハートフルな動画を楽しみました。



スノーボールが特殊な例ではないことを証明する動画です。

鳥の音楽



大好きな動画です。
ピアニスト、イボンヌ・ロリオのニコッとした表情も素敵です。
彼のパートナーです。

フランス前衛音楽の巨匠、オリヴィエ・メシアン。
これを見て、彼のイメージが変わりました。

というのも、彼はこういう人です(Wikipedia)↓。

「1931年、22歳の若さでパリのサントトリニテ教会のオルガニストに就任、彼はこの職をその最期まで、60年以上も務めることとなった。そこでの即興演奏は世界中に評判となり、彼の演奏を聴こうと人々は教会を熱心に訪れることとなった。サントリニテ教会にて彼は即興演奏家としての地位を確立するとともに、多くの宗教音楽を作曲した。第二次世界大戦中にはドイツ軍の捕虜となり、収容所内で世の終わりのための四重奏曲を作る」



メシアンは鳥についてこう語っているようです。

「私は自然を深く賛嘆するものです。私の考えでは、自然というものは無限に我々を超えるものなので、私はいつも自然に教えを乞うてきました。個人的な趣味から私は鳥が好きで、そのため特に鳥の歌に耳を傾けてきました」



西洋絵画の多くは目に見える現実を描写してきました。
外なる現実の描写をやめて、もっと自由に色や形を表現したのが
抽象絵画で、それは美術の大きな革命運動でした。

抽象絵画の先駆者ワシリー・カンディンスキーは
作曲家が現実を描写・模倣しないように
画家も現実を描写・模倣しなくてもいいのだと宣言しました。

ところがメシアンは、逆のことをやったんです。
鳥の声を写生し、それを交響曲やピアノ曲、弦楽曲に活かしました。
なぜそんなことをしたのでしょうか?

メシアンは熱心なカトリック信者であったといいます。
ちゃんと調べたわけではありませんが、中世イタリアのカトリック修道士アッシジの聖フランチェスカが影響しているのではないかと想像しています。

「イエスは規則など愛せよとは言わなかった、人間を愛せよと言った、動物や鳥、木々や花、山や空を愛せよといった」と聖フランチェスコは語ったそうです。彼は『小鳥への説教』という詩を残しています。

小鳥よ、あなたたちはすばらしい衣服を
身に付けている
私はよれよれの修道服を着ているが
これとて自分で手に入れたものだ
ところがあなたたちの衣服は
自分で心配したものではない
あなたたちは透明な声で鳴くが
それもまたいい声になろうとして
なったわけではなく
神様がくださったものだ
素直なあなたたちには大きな恵みがある

これはイエスの「空の鳥を見よ、播かず、刈らず、倉に収めず、然るに汝らの天の父は、これを養いたまふ」という言葉をふまえた詩ですね。

メシアンは、世界大戦の危機の時代を生きたひとです。
戦後は物質主義的な豊かさを追い求めるか
唯物論的革命をめざすかみたいな潮流があって
それはいずれも空の鳥を見ることから遠いことだったと思います。

3.11後の現代を考えるとき
自然に耳を傾け自然に教えを乞おうとしたメシアンの音楽は
今こそ重要な輝きを放っていると思います。