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急増する「食物アレルギー」注目の治療法とは

2023-01-26 10:34:37 | 健康・医療
私はタケノコにアレルギーがあり、若いころ食べると発疹や吐き気が出てしまい、それ以来タケノコを食べることはありません。

専門家が「ビッグナイン」と呼ぶ食べ物があり、牛乳、卵、ナッツ、魚、甲殻類、コムギ、ダイズ、ゴマの9種類です。これらは「食物アレルギー」の原因として最も一般的な食品で、年齢に関係なく発症する可能性があります。

ここ数十年で食物アレルギーを持つ人の割合は爆発的に増加していることを示唆するアメリカのデータがあります。米疾病対策センター(CDC)の報告によると、米国では食物アレルギーを持つ子供の割合が1997〜2011年の間に1.5倍になりました。

2017年に発表された論文によると、米国では5〜17歳の子供たちのアナフィラキシーによる救急受診率が2005〜2014年の間に約3倍に増加しています。また1つ以上の食物アレルギーを持つ人が3200万人以上おり、そのうち約560万人は18歳未満の子供であることが示されています。

アレルギー反応では、ピーナッツのタンパク質などの本来無害な外来タンパク質を、身体が危険なものと誤って認識します。そして侵入者を撃退するために、身体は「免疫グロブリンE」(IgE)と呼ばれる抗体を産生します。

特定の免疫細胞にIgEが結合すると、活性化して「ヒスタミン」と呼ばれる化学伝達物質を放出します。これにより腸、皮膚、肺、心臓の4つの主要な臓器のいずれかにアレルギー反応が生じる可能性があります。

4つの臓器系の2つ以上に急激な症状があると「アナフィラキシー」と呼ばれます。アナフィラキシーになったら、気道の筋肉を弛緩させて呼吸をしやすくするために、アドレナリンというホルモンを含む「エピペン」という注射薬を投与します。

食物アレルギーを引き起こす環境要因については、2つの主要な仮説が提唱さています。1つがこのブログでも取り上げた「衛生仮説」です。これでは増加している理由を説明できず、新たな仮説として「二重抗原暴露仮説」が提唱されています。

この仮説は皮膚から食べ物が身体に入って来ると食物アレルギーになりやすく、口から食べた場合になりにくいというものです。

治療法は2つに分類され、少量ずつ摂取することでアレルゲンに対する耐性をつける「免疫療法」と、アレルギー反応を引き起こすIgE抗体が受容体と結合するのを防ぐ「抗IgE抗体療法」です。

2020年には米食品医薬品局(FDA)が免疫療法の最初の薬「パルフォルジア」を承認しました。この薬は高度に制御されたピーナッツタンパク質を毎日錠剤で服用する経口免疫療法に用いられます。

この様に新たな治療薬なども開発されていますが、まだまだ食物アレルギーは解決には程遠い状況です。結局自分自身がアレルゲンを摂取しない様注意するしかないのかもしれません。


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