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乳幼児の血管炎「川崎病」その気を付けたい症状

2024-07-12 10:33:57 | 健康・医療
かなり前ですが、私の従妹の孫が2歳くらいの時川崎病になってしまいました。当時はまだ治療法も確立しておらず、かなり苦労したようですが離れた県に行ってしまいその後はよく分かっていません。

川崎病は、主に乳幼児の全身の血管に炎症が起こる病気です。日本人医師がこの病気を発見してから57年が過ぎました。

主な症状は1.発熱、2.両目の白目の充血、3.唇が赤くなり舌にぶつぶつができる、4.発疹や結核予防ワクチン接種後が赤くなる、5.手足の先が腫れて赤くなる、6.首のリンパ節が腫れる、などとなっています。

このうち五つ以上当てはまるか四つ当てはまり心臓の所見があるで診断されます。1歳前後の発症が最多で、4歳以下の患者が9割近くを占めます。何らかの感染症が引き金になっていると指摘されていますが、保育園などで広がることはないと考えられます。

1980年代頃の3度の大流行後、罹患率は上がり続けました。ただ2020年は前年の3分の2程度に減り、新型コロナウイルス対策の影響とみられています。川崎病の発症のしやすさに遺伝子が関係していることも分かってきています。

現状では、遺伝的な要因を持つ人に、感染や環境変化といったきっかけで、免疫が過剰に働いて血管炎を起こすとの説が有力です。治療は早く炎症を抑え、心臓を取り巻く冠動脈にこぶができる後遺症を防ぐことが目標です。

治療法はかなり進歩し、後遺症が出る割合も2.3%(2022年)と20年前から半減しました。抗炎症薬のアスピリンを投与し、血液製剤である免疫グロブリンを1日で大量に点滴投与するのが標準治療です。

ただ血液検査の血管度からこの治療が効きにくいと予測される場合は、免疫を抑えるシクロスポリンかステロイドを最初の治療から併用することが推奨されます。後遺症で冠動脈に大きなこぶが生じなければ、普通に生活でき発症後5年間異常が無ければ通院も必要なくなります。

しかしこぶが残ると血栓ができやすくなり、心筋梗塞のリスクになります。定期的に通院し、血液をサラサラにする薬の治療を続ける場合もあります。大人になってもリスクに応じた生活の管理や経過観察のため、小児科から循環器内科への橋渡しが大事になります。

以上が川崎病の概要ですが、その発端が感染症というところが恐ろしい気がします。ここではどんな細菌やウイルスがその原因になるのかは全く触れていませんが、まだその特定に至っていないのかもしれません。

現在身近に乳幼児などいませんが、感染症としては恐ろしい病気といえるのかもしれません。