ごっとさんのブログ

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日本はなぜ「薬漬け大国」になったのか

2023-04-29 10:37:31 | 
日本の高齢者が多数の薬を服用しているという話しは、このブログでも取り上げてきましたが、なぜ医師はたくさんの薬を処方するのでしょうか。

ひとつには日本人が薬好きであり、病院に行ってすぐ薬を処方されることを好むという部分はあるような気がします。

医者がたくさんの薬を処方するのは儲かるからという見方もありますが、現在の医療制度では院外処方のシステムが採用されており、医者は処方箋料しか手元には入りません。

医者が薬を多く処方する大きな理油は、医者の多くが自分の専門外の病気についてよく分かっていないという見方もあるようです。

たとえば糖尿病内科の医者は糖尿病については対処法もよく分かっており、薬をなるべく使わずに生活習慣を見直しながら数値を正常にしようと治療を行うことができます。しかしその患者が高血糖に加えて高血圧も併発している場合は、良い対処法が分からないためすぐに血圧を下げる薬を出してしまうのです。

このあたりは現代医療の問題点で、あまりにも専門化が進み過ぎて自分の専門領域外の知識を学ぶ機会がないためといえるようです。結局自分の専門外の病気を併発している場合は、ガイドブックを参照して医療業界の標準治療とされる治療を採用し多くの薬を処方することになるわけです。

高齢者の場合は2つ、3つは病気を抱えているものなので、結果的に処方する薬の量が多くなってしまうわけです。もうひとつ医者が薬をたくさん出すのは「保身」という側面もあるでしょう。

標準治療として決められた薬の種類や量を出しておけば、万が一副作用などでその患者の身に何があっても、医療ミスとはならないわけです。薬については、個人差を考慮しない医師が多いのも問題だと感じています。

身長や体重が人によって違うように、本来ならば人によってクスリの適正量は違っているはずです。しかし日本の医師は成人であれば、70キロの中年男性であろうと40キロの80代の女性であろうと、同じ分量の薬を処方するのが当たり前となっています。

薬の適正量は主に若い男性での臨床試験を基に体重1キロ当たりの量として決められ、成人は60キロとして子供は体重に合わせて使用量が決められているのです。そこから私は小児科があるように、老人科を設置すべきと考えています。

高齢者は臓器の機能が衰え、薬の代謝や排泄が悪くなるなど多くの問題がありますが、この辺りはタイトルとずれてしまいますので、別な項目で触れたいと思っています。

それでも現在は高齢者だけではなく、多剤服用があまりにも多い感じがします。多くの薬を処方する医師の問題だけではなく、薬好きの日本人でも患者も問題意識を持ってほしいと感じています。


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