ごっとさんのブログ

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体脂肪を燃やすスイッチとなる漢方薬

2024-06-02 10:36:18 | 
私はあまり漢方薬は好きではありませんが、先日NHKも漢方薬を特集しており、注目が集まっているようです。

漢方薬などの東洋医学は、全て人間を対象とした人体実験の結果選ばれたものという説もあり、その効果を西洋医学でも解明しようとしているようです。ここで取りあげるのは「防風通聖散」です。

抗炎症作用を持つオウゴンやボウフウ、鎮静作用を持つシャクヤクなど18種類の生薬が含まれています。防風通聖散は、便秘や肥満などの改善に処方される漢方薬で、臨床試験では肥満症患者の体重を減少させる効果などが報告されています。

そのメカニズムについては大変興味深いものがあありますが、注意点もあります。効能の中に肥満というキーワードが入っているため、いわゆる「やせ薬」と勘違いして多用されるケースが多いようです。

しかし副作用として、間質性肺炎や肝機能障害などのリスクがあるので、乱用は禁物です。防風通聖散は、単なる肥満ではなく健康に障害を及ぼす肥満症の患者の体脂肪(皮下脂肪と内臓脂肪)を減少させる効果が、いくつかの臨床試験で確認されています。

主に研究されてきたのは、脂肪細胞への作用です。脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞があり、白色脂肪細胞は中性脂肪や糖などを取り込んでエネルギーとして蓄えています。また褐色脂肪細胞は、脂肪を燃焼させて体温を保つ役割を持っています。

動物を使った研究によると、防風通聖散に含まれるマオウの薬理成分であるエフェドリンが交感神経を刺激して、体内でホルモンのノルアドレナリンを分泌させます。このノルアドレナリンには、それぞれの脂肪細胞が持つ働きをスタートさせる「スイッチ」の役割があります。

白色脂肪細胞に作用すると細胞内に蓄えられた脂肪の分解が促進され、遊離脂肪酸が分離します。遊離脂肪酸は、体のエネルギーとして使われますが、一部は褐色脂肪酸に取り込まれます。そして褐色脂肪酸では取り込んだ遊離脂肪酸を使って熱を生み出す働きが高まります。

この2つの作用によって、脂肪細胞に含まれる中性脂肪などが減少し、体脂肪が減少することが確認されています。別の研究では、カンゾウに含まれる成分にエフェドリンによる脂肪分解促進を助ける働きがあることも示されています。

さらにマウスの遺伝子を調べた研究では、防風通聖散を与えると脂肪細胞のUCP1と呼ばれる遺伝子の発現が増加することも確認されています。UCP1は、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアが熱を生み出す機能に関わる遺伝子です。

以上のように漢方薬のメカニズムがかなり解明されており、安全に使えるようになってきたと言えそうです。


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