ごっとさんのブログ

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人工甘味料は心臓病や脳卒中を増やすのか

2022-12-21 10:35:15 | 健康・医療
もう30年以上前になりますが、甘味料であるアスパルテームが開発されたとき、その構造から画期的なものと感心していました。

アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンというアミノ酸が結合しそのメチルエステルとなったものです。それが砂糖の100倍以上の甘さがあるというのは驚きで、安全性にも問題はないだろうと思っていました。

それでも消費者団体などは安全性を追求していましたが、科学的にはほとんど意味のないことで食品開発の難しさを感じました。

このアスパルテームを開発した企業の研究員と仲良くなり、色々と開発の苦労などを聞いていました。実は私はこの甘味を測定するにはどうするのかに興味を持っていました。世間には糖度計などありますが、これはグルコース量の測定であり直接甘味を測っているわけではありません。

味覚はヒト固有のものであり、分析して出すということはできそうになかったのです。これをこの知人に何度も聞いたのですが、企業秘密的な感じて教えてもらうことはできませんでした。非常に原始的ではありますが、舐めて舌で確認していたのかもしれません。

さてこういった人工甘味料と心臓病や脳卒中との関連を調べた研究が報告されました。人工甘味料にはさまざまな種類があり、先のアスパルテーム以外にもガムやキャンディーなどに用いられるアセスルファム、砂糖の600倍の甘味を有するスクラロースなどがその代表です。

肥満の予防に効果的だと考えられている人工甘味料ですが、いくつかの研究では心臓病との関連性が指摘されていました。今回の研究では、フランスに在住している10万3388人(平均42.2歳、女性79.8%)が対象となりました。

研究参加者が摂取した人工甘味料の種類や量が調査され、心臓病や脳卒中の発症リスクとの関連性が解析されています。結果に影響を与える年齢や性別、喫煙や飲酒の状況などの因子について、統計的に補正して解析されました。

9年にわたる追跡調査の結果、人工甘味料の摂取量の増加に伴い、心臓病および脳卒中のリスクが9%と統計的にも有意に増加しています。人工甘味料の種類別の解析では、アスパルテームは脳卒中、アセスルファムとスクラロースは心臓病と関連していることが示されました。

これで著者は、人工甘味料の摂取は心臓病や脳卒中と関連している可能性があり、砂糖に代わる健康的で安全な添加物だと考えるべきではないと結論しています。

私はこの論文を否定するわけではありませんが、有意といっても9%はあまりにも低いような気がします。甘味料はそれほど多量に摂取するものではありませんので、科学的に見ても病気との関連があるというのはおかしいでしょう。

人工甘味料が入っているかを気にするより、甘い物自体を減らした方が健康には良いような気がします。