ごっとさんのブログ

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高齢者の孤独とうつ病

2020-01-28 10:29:25 | 健康・医療
高齢者のうつ病は社会の高齢化に伴って増加しており、高齢者人口の10~15%程度は発症しているといわれるほど身近な病気のようです。

私の周りの友人たちにはそういった人はおらず、あまり多いという感じはしませんが、問題となってはいるようです。高齢者のうつ病は「老年期うつ病」とも呼ばれており、他の年代のうつ病とは区別されることがあります。

基本的に治療法は共通していることが多いのですが、発病の原因として高齢者特有の誘因があり、それに伴った治療が必要となります。

老年期のうつ病は高齢になって始めて発症した場合と、過去にうつ病を患い高齢者になって再発した場合の二つに分けられます。ストレスをためてしまうため、一般に几帳面な人ほどうつになりやすいといわれています。

加齢による脳の変化により、脳の血流が悪くなり血管障害を起こしてしまうことが、うつ病の直接の原因になる可能性があるようです。

高齢者の場合、脳の変化に加えて高齢者特有の心理・社会的要因も大きく、親や配偶者、兄弟や友人との死別などといった「喪失体験」を経験しやすくなるためです。

ほかにも子供の独立や定年退職などによる役割の喪失や、持病の悪化や目が見えにくくなる、耳が聞こえにくくなるなどの身体機能の喪失もあります。

喪失体験は誰でも経験するものですが、加齢による脳の変化によってこうしたネガティブなライフイベントに対して柔軟に対応しにくくなることで、うつ病を発症しやすくなってしまうといわれています。

また報道の影響からか、最近は自分の孤独死を心配する人が増えました。大家族で暮らしていた時代には、家の中では会話が飛び交い、近所づきあいあるなど周囲のサポートを受けやすい環境でした。

しかし近年は高齢者世帯の増加により、老いてからの一人暮らし、孤立する老人も増えました。こうした社会環境の変化も、高齢者のうつ病を多く生み出す原因といえます。

私の家の周りも、町内会の組が8件あるのですが1件を除いて子供と同居している家はなく、老人世帯となっています。また高齢になるにつれて、どうしても服用する薬は増えていきます。この薬の副作用でうつ状態になることもあるようです。

例えばステロイドやインターフェロン、抗エストロゲン剤などの服用から、うつ状態になることが知られています。また消化器系や循環器系などで一般的に使用される薬でも、うつ状態が引き起こされることがあります。

このように高齢者はうつ病を発症する要因が非常に多く存在するようです。現在は非常に良い抗うつ薬などもあるようですので、眠れないなどの症状が出たら早めに精神科を受診することが良いのかもしれません。