ごっとさんのブログ

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医師が使わないジェネリック薬

2020-01-16 10:15:31 | 
厚生労働省が2020年には薬全体の80%まで増やすとしているジェネリック医薬品ですが、現場の医師たちは使いたがらないものもあるようです。

ジェネリック医薬品(後発薬品品)は、新薬(先発医薬品)と有効成分が同じで、同じ効き目を持つと宣伝されており、価格が新薬の7割から安いものでは2割ほどとなっています。

日本の医薬品に占めるジェネリックの割合は2018年9月の調査で72.6%で2020年9月までに、これを80%にすべく厚生労働省が音頭を取っています。ただこれは保険財政の破たんを防ぐためであって、患者の健康を考えているわけではないようです。

これは2018年度に医療機関に支払われて医療費総額は42兆6千億円で、その内約2割が薬剤費という事情があります。しかしジェネリックは先発薬と比べて、主成分となる原薬は同じですが、製造方法や添加物は異なっています。

例えばハンバーグで肉は同じでもつなぎやこね方は異なっているようなものです。さらに原薬についても混雑物が含まれて、安全性が疑わしい場合すらあるようです。

厚生労働省が2018年9月診療分の医療費から各保険組合のジェネリック使用率を明らかにしたデータがありますが、医師国保に限ると58.2%という結果が出ています。つまり医師や医療従事者は自分にはあまりジェネリックを使用していないのです。

使ってみて効果の違いが分かるものとして、危篤状態の時に使用するドパミン塩酸塩があげられていました。緊急時に血圧を安定させ心不全を改善し、利尿作用を促し、体液の循環を良くするために使用されます。

先発薬の場合は、1分間の点滴数が10滴で効くのに、ジェネリックだと15滴でも20滴でもそのレベルに至らず、結果が血圧や心拍数として数字にはっきり出るようです。

この場合は溶かして点滴するだけですので、余分な添加物などないはずで、なぜジェネリックは効かないかはよくわかりません。その点例にあるような、高血圧の患者に処方する血管拡張剤のニフェジピンは、時間をかけて体内で溶ける徐放性剤です。

これをジェネリックに替えると「顔が赤くなる」などの症状が出て、徐々にではなく早く溶け強い効果が強く出ることがあるようです。この辺りは徐放性にする製剤化が、ジェネリックではうまくできていないという事のようです。

こういった「徐放性」というのは製剤化の中で最も難しいところで、まだジェネリックメーカーは技術が進んでいないのかもしれません。その他いろいろあるようですが、現在でもジェネリックが先発薬と全く同じ効能を出すかというと、若干差がある薬剤も存在していることは確かなようです。

薬の種類によっては全く同じというのもあるはずですが、もう少しジェネリックメーカーの技術革新を望みたいものです。