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ソウル旅行記 15 『世界遺産 宗廟』

2013年12月02日 | Seoul

韓国三大世界遺産の1つ「宗廟(チョンミョ)」に行ってきました

1995年に韓国の文化財の中では一番にユネスコ世界文化遺産となったところで

朝鮮王朝の歴代王と王妃の位牌を祀り、祭祀を行っていた場所です

人気観光スポットの「景福宮」と比べると規模も小さく比べ物になりませんし

韓国的な美を語る際にも、同じく世界遺産の「昌徳宮」には及びませんが

李朝時代の建築物の中でもっとも整然とし、荘厳かつ神聖な場所とされています

1395年(太祖4年)に建てられて以降、今も毎年ここで宗廟祭礼儀式が行われています

総面積56,503坪(約186,000平方m)の宗廟は現在史跡第125号に指定管理され

宗廟内部と宗廟に関連した文化財では正殿(チョンジョン・国宝第227号)

永寧殿(ヨンニョンジョン・宝物第821号)、宗廟祭礼楽(チョンミョチェレアッ・重要無形文化財第1号)、

宗廟祭礼(チョンミョチェレ・重要無形文化財第56号)などがあります




入場料は1000ウォン(100円)と安いですよね



宗廟は毎週土曜日を除き、解説者のガイド付き観覧のみ可能となっています

定休日の火曜日と土曜日を除く毎日、決められた時間に言語別のガイドと一緒に回るコースになります

ガイドは韓国語、日本語、英語、中国語の4パターンでスケジュールが組まれていました



宗廟案内図

ガイド付きで約1時間でまわれます











御楽室(オスッシル)

王が祭礼を行う前に斎戒沐浴して衣服を清め、世子とともに祭祀を行う準備をしていた場所

王をはじめとする祭官は、祭祀を行う7日前から飲酒歌舞が禁じられ

弔問も行かず、死刑の執行や宣告もせず、また夫婦が床を共にしなかったそうです

そして祭祀の3日前からは毎日沐浴をし、祭祀の前日にここ御楽室に来ることになっていたそうです

塀で囲まれた御楽室の区域内には、北側に御斎室(オジェシル)、東側に世子斎室(セジャジェシル)、

西側に御沐浴聴(オモッヨッチョン)があり、祭礼時に王と世子は御楽室の正門を入り

斎戒沐浴後に祭礼服に着替え、西門を出て正殿の東門をくぐって祭礼を行いました



版位台と典祀庁の間には「饌幕壇」と「犠牲台」という場所がそれぞれあります

饌幕壇は祭礼のときに使われる食べ物を前もって検査していた壇

犠牲台は牲省台(センソンデ)とも呼ばれ、祭礼のときに供える牛、羊、豚を検査していた場所だとか



宗廟の敷地内には中央・左右の3部分にそれぞれ薄石が敷かれた道があります

左右に比べ若干高くなっている中央の道は「神のための道」とされ「神路」と呼ばれています

また右(東)側は「王が通る道」から「御路」、左(西)側は「皇太子が通る道」から「世子路」といいます

特に中央の道には乗らないよう注意書きがされていました







韓国は日本よりも圧倒的に石文化のようです

こうした石壁や屋根瓦を見ると韓国らしさを感じます



1443年(世宗25年)に造られた中池塘(チュンジダン)は望廟楼(マンミョル)の横にある池で

四角形の池の真ん中には丸い島がありました

これは「天圓地方(天は丸く地は四角である)思想」と「陰陽思想」に深く関わりがあり

四角形の池は「陰」を意味し、丸い島は天を象徴すると同時に「陽」を象徴しているそうです















こちらが宗廟のメイン「正殿(チョンジョン)国宝第227号」です

現在、正殿には西側を最も上とし、第1室である西側1番目の間に祀った太祖(1代目)の位牌をはじめ

李氏朝鮮の最後の皇帝である純宗皇帝(スンジョンファンジェ・27代)まで

各王と王妃あわせて計49位の位牌が19室に祀られています

正殿の建築様式は単純ですが、韓国の単一建物としては最長の建物(101m)で

前面に長く整えた石を積み上げて作った広い月台(東西109m、南北69m)を置き

祀廟建築としての品位と荘重さを表わしています

建物が長い理由は朝鮮王朝が続き奉安する歴代王の位牌が増えたことで

幾度にわたって建物を横に増築していったからだそうです





こちらは正殿より少し小さめの「永寧殿(ヨンニョンジョン)宝物(国宝と重文の中間)第821号」

永寧殿は正殿にずっと祀られていなかった王と王妃の位牌を移動し祭祀を行った別廟です

正殿と同様の建築様式で建てられており、丹青や装飾は控えめで、厳粛な雰囲気が漂っています

屋根瓦には魔除のためか複数の動物を見ることができます







宗廟は他の古宮のような華麗さには少し欠ける部分もありますが、それが逆に魅力なのかも知れません

また敷地内には緑が多いせいか、空気も凛と澄んでいて本当に気持ちの良い場所でした

歴代王の威厳と先祖への尊敬が感じられるパワースポットの役割も果たしているようです

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