稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

夜の夜中に女房に料理の手ほどきをした話。

2020年10月10日 | 食べ物の話など


女房が料理が下手だと気がついたのは新婚旅行から帰った初日の夜だった。
もう39年も前の話だ。

当時は東亜特殊電機(現TOA)の秋田駐在所勤務。
3DKの自宅の玄関脇の6畳間を仕事部屋として使っていた。
女房は同じ会社の、元は青森出張所勤務で、縁あって20才で嫁に来たのだ。

溜まった仕事を片付けながら「妙に晩御飯おそいなあ」と思っていた。

しばらくして奥から「ごはん出来ました・・」との声。
夕食の献立は忘れたが、新婚ゆえ、きっと粗末な物だったろうと思う。

ちょっとワクワクしながら味噌汁を飲んだ。
これが薄い。味がほとんど無い。

「これ何やねん?」と聞いたら「お味噌汁・・」と小さく返事をする。
「こんな味噌汁があるか!」とすぐに台所に行き味を付けなおした。

ダシが効いていないのと味噌が少なすぎるのである。
これがそもそもの始まりだった。

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で、つい先日の話。

稽古が終わって夜の11時頃に帰宅。
食卓に座って、まずはダイコンの煮つけが出てくる。
それをアテにビールを飲む。うん旨い。

次に出て来たのが、厚揚げの薄切りと豚バラ肉と長ネギの炒め物。
お腹が空いていたのでしばらく食べていたが、だんだん違和感を覚える。
ダイコンの煮つけと同系列の味がするのだ。
しかもかなりの薄味。何これ?煮物?

私「これどうやって味付けしたん?」
妻「麺つゆ入れて炒めた・・」
私「それなら煮物やで」
妻「でもフライパンで炒めた・・」
私「あほう!麺つゆ入れただけなら煮物になるわい!」

おそらく女房はフライパンを使ったら炒め物になると思っているようだ。
残りの「煮物風炒め物」を持って台所に立つ。

フライパンを熱し、バターを入れる。
そこに厚揚げの薄切りを並べてしっかり焦げ目をつけた。
そこに残りの豚バラ肉と長ネギを入れて強火で炒める。
充分に火が通ったら、醤油を入れ、混ぜながらさらに炒める。
仕上げは胡椒。好みなのでたっぷりふりかける。

私「食ってみ」
妻「味がしっかり付いてておいしい」
私「こういうのを炒め物と言うんや」

性格がおとなしい女房は味の付け方も控えめである。
放っておくと病院食のような味の薄いものしか出てこない。
私はアブラっこい、味の濃い、こってりした味付けが好きなのだ。

独身時代に可愛い女の子に惚れられたことがある。
数回、食事だけのデートをしただけだったがとても困ってしまった。
その子、肉嫌い、魚嫌い、野菜嫌い・・・なのだ。

「こんな子と結婚したら何食わされるかわからん!」と疎遠になってしまった。

女房は何でも食べるが、何でも「おいしい」とだけ言うタイプ。
金が掛かからないのは良いが「何を食わされるかわからない」ことは先の子と変わらない。

残念ながら文句を言っても味付けは改善しない。
女房は「ヘルパーの仕事で老人食を作ることが多いから・・・」と言い訳するが、
「味は薄いがまあまあ旨い」のと「もともと不味くて味も薄い」は違うぞ、おい。
仕方が無いので手直しのスキルだけは持つようにしている。
以上、恥だが書いておく!

(最近、youtubeで見たレシピで料理するようになった話は別に書くつもり)
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