田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

有田焼の里、陶磁器まつりへ行く

2023年12月02日 | 日々の出来事

 佐賀県有田町の陶磁器まつりへ出かけました。鳥栖駅まで車で行き、そこから佐世保線を1時間の旅です。乗るのは「特急みどり」。オレンジ色の車両は「ハウステンボス号」です。後ろ半分に違うデザインの佐世保行き「みどり号」が連結されています。今回は写真の枚数が多いです。

 有田駅に着きました。陶磁器まつりに来たのか、リュックを背負っている人が多いですね。まつり期間中はシャトルバスが出ていました。私は終点の泉山磁石場まで乗ります。

 磁石場への道は紅葉が綺麗でした。ここは磁石場組合が管理していて普段は閉鎖されていますが、まつり期間中は特別公開されていました。

 展望台から。黄色味を帯びた磁石場の全景です。右奥に坑道の跡があります。朝鮮陶工の李参平がここで磁器の原料となる陶石を発見してから400年、日本磁器の発祥の地ともいえる場所。今はここでは採掘されておらず、天草などの陶石を使っているそうです。

 上有田駅近く。ここから有田駅まで歩いて戻ります。上有田を中心としたこの通りに陶磁器店が建ち並んでいます。

 トンバイ塀の案内板がありました。ここから右の路地裏へ入り込みます。

 「トンバイ塀とは、登り窯を築くために用いた耐火レンガ(トンバイ)の廃材や使い捨ての窯道具を赤土で塗り固め作った塀のことです」(有田観光協会のHPより)。PRビデオでしょうか、撮影が行われていました。

 同じ通りです。木造の工場と事務所は岩尾磁器。有田には多くの窯元があります。職人的な工房がほとんどですが、工場を持ち都市部にも店舗を展開する有名企業もあります。

 通りに戻ってきました。春の陶器市では数キロにわたって400以上の店が並び、買い物客でごった返します。私がこの通りを歩くのは50年振り。その時は、立ちづくめの列車を避けて帰りは夕方のバスに乗りました。でも高速道路がない時代、一本道の国道は大渋滞で久留米に辿り着くまで5時間もかかりました。

 ショーウィンドウは陶磁器の里らしい飾りつけです。

 窯元直営の店、各窯元の製品を並べた店、セレクトショップのように各産地の品物を集めている店など様々です。

 棚に並んでいるのは高級品です。まつり期間中だけなのか、どこも値引きで売られていました。特価品はまとめてケースに入っています。

 

 通りを歩いていると、こういう可愛いショーウィンドウが目につきます。

 有田の町は表通りだけでなく、路地を入った裏通りも趣きがあります。私も通りと路地を出たり入ったり。

 

 日用品から客用に使う高級品、そして工芸品まで店によって特徴があります。

 この日は有田までぐい呑みのような盃を探しに来ました。でも棚にあるのは高いもので一個1万円以上します。ある店で気に入った盃があり、思い切って5千円の3割引きというのを手にしました。レジに行くと前の客が買った小物を丁寧に個別包装しています。しばらく待っている間に買い物熱が冷めてしまいました。

 路地裏の店は安いですという貼り紙に誘われてこの路地へ。よくある掘り出し物市のような店で、ケースに陶器が山積みになっています。結局、ここで5割引の盃を買いました。でも多分、使わないような気がします。こんな路地裏にも陶器の店があって、商売が成り立っているのですね。

 香蘭社です。子どもの頃から馴染んだ名前。家の茶碗や皿の糸底にこの名前がありました。私にとっては有田焼の代名詞みたいなものでした。

 中庭でミニ陶器市があってたので覗いてみました。その後は、すぐ近くの今右衛門窯の展示館へ。展示されていたのは壺から日用品まで美術工芸品で、私たちが買うような品物とは2桁ほど値段が違います。素人が見てもうっとりするような焼き物でした。

 昼食も取らずに3時間ほど歩いたら疲れました。有田駅まであと1.5キロもあります。結局、シャトルバスの厄介になって駅まで戻りました。

 ホームに伊万里行きの列車がいました。伊万里も陶磁器の産地です。予定より早い特急で帰ることにしました。有田では町でも車内でも西洋系の外国人をよく見かけました。若い人から高齢者のカップルまで。陶磁器は国際的なのですね。

 次の停車駅の武雄温泉駅を過ぎた所で新幹線「かもめ号」が入線待ちをしていました。西九州新幹線は武雄温泉駅から長崎までの区間が開通しています。武雄と嬉野は新幹線の開業で潤っている温泉町です。

 明るいうちに鳥栖へ戻ってきました。明治44年建築のレトロな駅舎。ここから久留米まで車で30分。今日は心地よい疲れでした。

 昨日は寒い一日でした。まだ晩秋の余韻を楽しみたいのに、季節の過ぎゆくのが早いです。今年は紅葉めぐりにもあまり行きませんでした。

 

 

 

 

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