宝当神社で縁起を担ぐ

　唐津城を見学するために、お城の駐車場に車を入れましたが、たまたま一番奥の防波堤の近くにとめました。すると、目の前の壁に高島へ行く船の時刻表が掲示されています。それを見た家内が、船に乗ろうと言います。

 　高島には宝当神社があるのです。私もこの神社のことは知っていました。宝くじが当たる神社として、近年人気があります。しかし、まさかここから船が出ているとは思いませんでした。家内はテレビで見たことがあり、以前から行きたかったと言います。　

　下調べもしておらず、今から海に出ても帰りがどうなるのか見当が付きません。時計を見ると、出航直前です。急いで桟橋に行き、乗組員に高島までの時間を聞くと、10分で着くと言います。それならばと、予定を変更して宝当神社にお参りすることにしました。

　32人乗りの小さな定期船です。他にも海上タクシーがありました。

　

 　船に乗るのは島の人と神社へお参りする人、釣り人です。乗客の中に、島で売っている宝当袋を大切そうに手にしている人がいました。膨れている袋の中身は宝くじだろうと想像がつきます。若い衆を連れているので、職人さんでしょうか。 

　高島の港です。

　

 　宝当神社です。明治後期に今の名前になりました。平成に入って、名前にあやかって参拝する人が増え、その中から宝くじの高額当選者が多数出て、テレビや雑誌で紹介され有名になりました。今は年間に20万人の参拝者があるそうです。

　宝当神社は、港から３分ほど歩いた所にあります。小さな神社ですが、左手に社務所があり祈願の受付をしています。先ほどの職人さん風の方は昨年祈願したところ、どんどん仕事が入ってきて良かったので、今年も祈願に来たそうです。

　

 　拝殿です。神様がおられるところは撮影禁止になっています。祈願所は狭いですが、神主が祝詞を奏上し、座ってお祓いを受けます。

　

 　拝殿の壁には、びっしりと当選の御礼状が張られていました。結構、高額の当選御礼があります。購入した宝くじと当選番号表の写真が付いています。２０万人も来れば当選者も多いでしょう。人気の宝くじ売り場に人が並ぶのと同じ理屈かなとも思います。

　とはいうものの、私も拝殿に上がってお参りし、社務所でお守りを買いました。家内は宝くじを購入するため、近くにある売り場に行きます。

　

 　島の神社が宝くじ祈願で賑わうと、当然、関連産業というか参拝者を当て込んだ店が出て来ます。

 　この店は酒店ですが、宝くじ関連グッズを売っています。数匹の猫がたむろしており、陳列台にも上がったりしていたのですが、商売のお手伝いをするのです。

　家内は先ほどの職人が手にしていた、黄色の宝当袋を買いました。すると店のおばさんが袋を手に取り、猫にお祈りをさせるのです。早く写真を撮ってとおばさんが言います。この宝当袋は結構な値段がしました。

　

 　高島への定期船は１日６便です。家内は島で買った宝くじを大事に宝当袋に入れていますが、抽選日が楽しみです。私は久留米に戻ってショッピングセンターで買いました。家内に御守はと聞くと、お土産として娘にあげたそうです。

　宝くじはともかく、短い時間でしたが久し振りに船に乗り、開放的な気分になりました。内陸に住んでいると、海が恋しくなる時があります。

　唐津城は次の機会に見学することにして、帰途につきました。