田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

三国志の世界-九博の特別展から(下)

2024年02月11日 | 美術館・博物館

(蜀)

 「諸葛亮」 劉備の軍師 川本氏の作品 参考展示

 「関羽像」 明時代 三国志の中では人々に一番親しまれている人物。

 「趙雲像」 清時代 趙雲は関羽や張飛と比べて地味だが、私の好きな武将。

 「武士出征像」 雲南省 佩いている環頭大刀は日本の古墳からも出土している。

 「鈎鑲」 四川省綿陽市出土 盾の一種で裏面に持ち手がある。

 「戟」 四川省綿陽市出土

 少し形は違うが、檄を持つ儀仗俑の騎兵。

 「舞踏俑」 重慶市出土

 「説唱俑」 重慶市出土 半裸の芸人が片膝をつき、快活に話芸を披露している。

 

 (魏)

 曹操高陵発掘現場。2008年~2009年。河南省安陽市で、規模と構造が諸侯王に匹敵する墓が発掘された。古記録にある曹操高陵と所在地が同じで、曹操の陵墓であると裏付けられました。盗掘されていましたが、千点近くの副葬品が発見されています。

 会場では曹操の墓が実寸大で再現されていました。

 実際の発掘現場の写真。

 「石牌」 副葬された品目を刻んだ石の札。一番右の石牌には「魏武王常挌虎大戟」(魏の武王愛用の虎をも倒す大戟)と刻まれている。魏の武王とは曹操のこと。この銘文により、墓が曹操高陵であると断定されました。

 曹操は「三国志演義」では悪役として描かれています。しかし実際は武勇だけではなく詩人でもあり、文武両道の人物でした。中国では、一国の指導者としては劉備よりも曹操の方に人気があるようです。

 曹操は遺言の中で概略、次のような言葉を残しています。「埋葬後に喪に服す必要はない。将兵は持ち場を離れず、官吏は職務を遂行せよ。遺体は飾ってはならず、宝も墓に入れてはならない」。こうして薄葬(簡素に葬ること)を命じています。

 「撞車頭」 安徽省合肥市合肥新城遺跡出土 野戦で呉軍を蹴散らすために戦車馬の車軸に取り付けられたと推測されている。

 合肥新城は水上戦に長けた呉軍を誘い込むために、逍遥津から15キロ西北に築かれた魏軍の城。この兵器は、むかし観た映画「ベン・ハー」の戦車競走の場面を想起させます。

 「石球」 安徽省合肥新城遺跡出土 城壁の上から落としたか、投石器で飛ばしたか。

 「撒菱」 陜西省漢中市定軍山出土  忍者漫画にもよく出てくる道具。

 「鼎」 河南省安陽市曹操高陵出土 鼎は支配者の徳を表すものとして重んじられた。

 「水鳥」 山東省聊城市曹植墓出土 墓からは犬、鶏、豚などの人形がよく出土する。

 今回の「三国志展」は戦跡めぐりではなく、その時代の社会や激しい戦いを彷彿とさせる遺物の紹介でした。ゆっくり観て回って、三国志の世界を堪能しました。九博の帰りには太宰府天満宮へ参拝。狛犬が三国志時代の戦士に見えてきます。

 

 

 

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