田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

三国志の世界-九博の特別展から(上)

2024年02月08日 | 美術館・博物館

 4年半前、九州国立博物館で「三国志展」が開催されました。全作品とも撮影可でしたが、そのままお蔵入りにしていました。先日、三国志の古戦場である逍遥津の様子を投稿しました。その関連で、当時の展覧会の出品物を少し紹介します。160点あまりのうち、40点以上が一級文物(国宝級)で見ごたえのある特別展でした。

 太宰府天満宮の門前商店街です。当時は中国で発生した新型コロナが問題になる直前で、参道は多くの人で賑わっていました。

 三国志は後漢末期から、西晋が天下を統一するまでの百年を舞台としています。年代的には2世紀の末期から3世紀末まで。魏、蜀、呉が激しく天下を争いました。日本の歴史では弥生時代から古墳時代へと移行するころです。

 私たちが物語として馴染んでいるのは「三国志演義」です。「演義」とは小説のこと。正史である「三国志」の魏書に、日本の邪馬台国のことが記されています。「魏志倭人伝」といわれるものです。

 「魏書東夷伝倭人の条」の冒頭部分  吉野ヶ里公園管理センター発行の冊子より

 (後漢の時代)

 「儀仗俑車列」 甘粛省雷台墓出土 

 「五層穀倉楼」河南省出土 屋根の上に水鳥。2階までは穀倉、3階以上は物見櫓

 「邸宅」 河南省出土 四隅に物見櫓

 (三国志の時代)

 「劉備」 人形師川本喜八郎氏の作品 昔、NHKの「人形劇 三国志」で放映されました。参考展示です。

 「孫権」

 「曹操」

 赤壁の戦いの前哨戦で、諸葛亮が妙計を講じて10万本の矢を調達します。まだ夜も明けやらぬ未明。長江が濃い霧に覆われる中、呉は軍船に幔幕を張りめぐらし、兵士に見立てた干し草の束を並べて曹操の陣地へ近づきます。魏軍は敵の襲来と勘違いをして猛烈に矢を射かけました。船を反転させて反対側にも矢を射かけさせ、大量の矢を手に入れた呉の船隊は悠然と引揚げます。

 その場面を描いた、横山光輝氏の漫画「三国志」の原画。 参考展示

 この場面をイメージした展示です。

 「軍船模型」 近年の作です。 魏と呉が長江で戦った時の楼船

 「鏃」 湖北省赤壁市の赤壁古戦場跡出土

 「演義」では魏の将、張遼が赤壁の戦いで窮地に陥った曹操を助け出します。張遼は後に合肥の逍遥津でも呉の孫権を追い詰める活躍をします。

 

(呉)

 「弩」 湖北省荊州市紀南城出土  現代のクロスボウにあたる

 「弩機」弩の発射装置部分 山東省臨沂市(当時の魏の国)出土 

 「貨客船」 広西チワン族自治区出土 沿海航路と河川の航行に向いている

 「牛車」 江蘇省南京市出土

 「俑」 湖北省武漢市出土 円錐帽子の人物は専門技能者、冠は主人の職務に携わる者

 

 

 

 

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