田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

没後70年「南薫造展」を観る

2021年08月13日 | 美術館・博物館
 久留米市美術館で「南薫造展」が開催されています。この画家については今回初めて知りました。南薫造は、いまの広島県呉市の生まれ。1902年に東京美術学校に入って岡田三郎助に師事します。同じ時期に久留米市出身の青木繁も同校に在学していて、黒田清輝に学んでいます。  卒業後に二人の歩んだ道は大きく異なりました。青木は失意のうちに放浪生活を送り、若くしてこの世を去ります。南は卒業後イギリスに留学し、欧米 . . . 本文を読む
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九州国立博物館で「皇室の名宝」展

2021年08月05日 | 美術館・博物館
  太宰府の九州国立博物館で「皇室の名宝」展が開催中です。宮内庁三の丸尚蔵館に所蔵されている皇室のコレクションの中から百点近くが展示されています。各地から献上されたものや皇室に古くから伝えられてきた史料や書画、美術工芸品など素晴らしいものばかりです。  展覧会は二つの章立てで構成されています。  第一章は「皇室の近代を彩る」と題して、九州ゆかりの献上物や帝室技芸員の作品などです。 . . . 本文を読む
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見立ての世界「MINIATURE LIFE」展より(下)

2021年02月03日 | 美術館・博物館
 田中氏の作品の特徴は、対象物にミニチュアの人形や模型を組み合わせて独自の世界を作っていることです。会場では、パネルで対象物と人形とのスケール比較を例示していました。  お菓子が人形と同じスケール  人形が小さいとバームクーヘンが走路になります。  クラリネットを例にとると、人形の大きさで別の世界になります。        女性の . . . 本文を読む
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見立ての世界「MINIATURE LIFE」展より(上)

2021年02月02日 | 美術館・博物館
 日本では昔から、見立てを文化の中に取り入れてきました。枯山水などは見立てそのものですし、あるものを別のものになぞらえる見立ての手法は、芸術表現を豊かなものにしています。  そういう見立ての世界をジオラマの人形や日用品で表現した、田中達也「MINIATURE LIFE(ミニチュアライフ)」展が佐賀県立美術館でありました。氏の作品は数年前、連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックで、バスが畳の縁 . . . 本文を読む
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久留米市美術館コレクション展と園内のつばき

2019年01月28日 | 美術館・博物館
 久留米市美術館でコレクション展が開催されています。石橋美術館が撤退し、市の美術館としてスタートしてから2年余り。所蔵作品はまだ59点と少なく、今回の特別展も半数はブリヂストン美術館からの寄託作品です。  今回は九州ゆかりの画家たちの展示でした。今後も久留米を中心に、九州を主としたローカルな美術館として運営していくようです。ポストカードから何点か紹介します。     . . . 本文を読む
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手塚治虫展を観る

2018年12月11日 | 美術館・博物館
 筑後市にある九州芸文館で手塚治虫展が開催中です。開館5周年記念ということですが、手塚治虫生誕90周年事業の一環のようです。観覧者は年配の方が多かったです。日曜日なのに子どもの姿はまばらでした。   会場入り口のここだけが撮影スポットでした。  入り口手前には机や道具、セル画を描く机などが置かれていました。会場内には漫画の原稿やアニメーション原画など200点余りが展示されてい . . . 本文を読む
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「岸田劉生と椿貞雄」展を観る

2018年05月21日 | 美術館・博物館
 久留米市美術館で「岸田劉生と椿貞雄」展が開催されています。  岸田劉生は私の好きな画家ですが、椿貞雄の名前は初めて知りました。椿は山形県米沢市の出身で、18歳の時に上京して自画像を岸田に見てもらい激賞されました。それ以来、椿は岸田とともに行動し、岸田に深く傾倒していきます。  展覧会では二人の作品が160点ほど展示されています。椿は生涯を岸田に師事しましたが、展示作品を観ているとモチーフや画 . . . 本文を読む
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広重の東海道五拾三次(下)

2018年01月14日 | 美術館・博物館
 「鞠子 名物茶店」    鞠子は丸子とも。ここの名物はとろろ汁です。私は九州に住んでいるので、東海道の地理やこの辺りの名所旧跡に疎いです。関東や東海地方の方には馴染深い地名でしょう。この画に描かれた茶店は老舗として現存しているそうです。  「嶋田 大井川駿岸」     越すに越されぬと詠われた大井川の渡し。両岸にあった宿場の島田の方の風景です。大 . . . 本文を読む
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広重の東海道五拾三次(上)

2018年01月13日 | 美術館・博物館
 九州芸文館で「広重展ー雨、雪、夜 風景版画の魅力をひもとく」が開催中です。歌川広重は1797年生まれ、生誕220年になるそうです。名前を見て最初は安藤広重とは別人かと思いました。昔の教科書では安藤広重の名前で教わりました。  本展では150点近くの版画が出品されています。広重は五拾三次を幾つもの版で出しています。会場にはそれらの版や後年の木曽街道、江戸・諸国・伊勢などの名所図絵が展示されていま . . . 本文を読む
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「新・桃山展」ー大航海時代の日本美術ー

2017年11月15日 | 美術館・博物館
 いま九州国立博物館で表題の特別展が開催されています。鉄砲伝来から江戸初期に鎖国するまでの約百年間のアジア・ヨーロッパとの交流を、美術の面から辿ろうとするものです。  いつもは天満宮の方から来ますが、この日は反対の博物館駐車場に車をとめました。     展覧会では織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三代にわたる南蛮文化やキリスト教の影響を内外の美術品で見ていきます。しかし特別展のテーマが桃山展とあ . . . 本文を読む
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