田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

手塚治虫展を観る

2018年12月11日 | 美術館・博物館

 筑後市にある九州芸文館で手塚治虫展が開催中です。開館5周年記念ということですが、手塚治虫生誕90周年事業の一環のようです。観覧者は年配の方が多かったです。日曜日なのに子どもの姿はまばらでした。

  会場入り口のここだけが撮影スポットでした。

 入り口手前には机や道具、セル画を描く机などが置かれていました。会場内には漫画の原稿やアニメーション原画など200点余りが展示されています。小学生の頃に書いた漫画にすでに彼独特のギャグであるヒョウタンツギが出てきたり、少年時代に描いた素晴らしい昆虫標本の細密画が展示されているなど楽しい展覧会でした。

 展示物を見ると、作画の現場やアニメーションの仕組みなどがよく分かります。漫画の原画にはせりふの部分が紙で貼られています。私も以前、仕事で精密なイラスト地図作成に携わったことがありますが、やはり文字の部分は紙を貼っていました。いまはパソコンで処理するので、そういうことはないのでしょう。

 手塚治虫の作品は少年時代には「鉄腕アトム」しか記憶にありません。本格的に読むようになったのは大人になってからです。彼は映画の手法を取り入れるなど作画表現が多彩で、見ていて引き込まれるような力がありました。

 また彼の漫画のモチーフが人間の生と死や、自然への愛、宇宙や未来などであったことも、惹かれる要因でした。彼は自作において自然に反する人間の営みに疑問を投げかけていましたが、一方でアトムが「科学の子」であるように、科学技術に対する楽天的な考えもあったように思います。

 まだ若いころ、「火の鳥」のコミックシリーズを買い読みふけっていたことがあります。どこに行ったか忘れていましたが、子ども達が読んだのか表紙が破れた状態で2階の押し入れで見つけました。先日、小6の孫息子が読みたがっていると娘が言ってきました。しかしボロと一緒に処分したばかりです。輪廻転生をテーマにしたこの本を読ませたかったと、今になって惜しい気がしています。

 

 九州芸文館は斬新な建物ですが、だだっ広い田園地帯にあるせいかまだ風景に馴染んでいません。少し前の歌川広重展や今回の手塚治虫展など、観覧客が少なくてもったいない気がします。

 

 

 

 

 

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2 コメント

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漫画 (tango)
2018-12-14 07:25:44
私はアニメも本もテレビも漫画は見たこともないし
読んだこともありません
漫画材料は当店でもとてもよく売れたときがありました。漫画原稿用紙や関連材料がうれていました
子供たちが座り込んで店で漫画を描いていました
夢が少なくなった感じがいたします
孫たちはアニメドラマを楽しんでいますが
本当のマンゴの良さを知りません?
ダンスの漫画編も出ているようですが・・・
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おはようございます (九州より)
2018-12-14 09:12:37
小学生の頃から漫画をよく読んでいました。
まだ週間の漫画雑誌などなかったので、少年雑誌に掲載されていた漫画や、貸本屋の漫画でした。
手塚治虫の漫画は特別な存在でしたね。
大人になってからも漫画は読みましたが、今は買ってまで読むことはありません。
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