「鞠子 名物茶店」
鞠子は丸子とも。ここの名物はとろろ汁です。私は九州に住んでいるので、東海道の地理やこの辺りの名所旧跡に疎いです。関東や東海地方の方には馴染深い地名でしょう。この画に描かれた茶店は老舗として現存しているそうです。
「嶋田 大井川駿岸」
越すに越されぬと詠われた大井川の渡し。両岸にあった宿場の島田の方の風景です。大名行列が渡ろうとしています。五拾三次にはよく参勤交代の様子が出てきます。
「掛川 秋葉山遠望」
糸が切れて空に舞う凧や枠外にはみ出した凧が描かれています。秋葉神社は火伏せの神。
「御油 旅人留女」
御油宿は今の愛知県豊川市。宿の女が旅人をつかんで奪い合う様子がおかしいです。旅人は「東海道中膝栗毛」の弥次喜多を描いているといわれています。宿の壁に大きく書かれた「竹之内版」は版元の名前。木札には摺師や彫師などの名前が並んでいます。広重のこういうお遊びというか宣伝は、このシリーズのあちこちに見られます。
遠近法が取り入れられており、奥行きを感じさせます。
「四日市 三重川」
強風で飛ばされた傘を追いかける旅人。
「庄野 白雨」
白雨は俄雨のこと。強い雨と風です。この画は昔の教科書に載っていました。
「関 本陣早立」
大名の、まだ夜の明けぬ早朝の出立です。
「大津 走井茶店」
古来より京都への玄関口であった逢坂。左に泉がこんこんと湧き出ています。写真では見づらいが、井戸の石には右から「走井(はしりい)」と刻まれています。当時は米俵を牛が運搬していたのですね。この井戸は今も残っているようです。
「京師 三条大橋」
京都の三条大橋は東海道五拾三次の終点。向こうに比叡山を望みます。でも三条大橋と比叡との位置関係がおかしいように見えます。風景版画は見たままではなく、場面を再構成しているのでしょう。
会場で最初に日本橋の画を見たときにはわくわくしました。五拾三次の版画を通してみることが出来るのです。この日は、他の名所図会なども含めて浮世絵版画の素晴らしさを再認識しました。観覧客が少なかったのでゆっくり鑑賞出来ました。しかし勿体ないような気もします。
私も今、東海道五十三次に挑戦中です。3年かかって、やっと静岡です。
浮世絵のところまでまだまだかかりそうですが、何とか三条大橋に立ちたいと思っております。
私は東海道はJR東海道本線で何度か通っただけで、土地勘がありません。
記事でなにやら説明などを書きましたが、地元の方から間違いを指摘されそうで冷や汗ものです。
三条大橋は私も馴染みがあります。大願成就を祈念しています。
コメント有難うございました。