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布靴の効用 平起平落の動きの訓練 (一本歯の下駄との共通点)

2013-10-12 04:08:38 | 圓功禅拳、古武術
武道の練習の時、布靴や足袋をはくことは、「余計な力を使わない正しい運歩法」を身につけるのに大変役に立ちます。

足袋や布靴は「踏ん張れない」からよいのです。

まだ若かったころ、力任せに突き蹴りを行って得意になっていたころがありました。
そのころは、太極拳、合気道、剣道、居合道などの方々が布靴や足袋をはいているのを見て、あれじゃあ踏ん張れないから力が入らないじゃん。」「押されたら後ろに滑っちゃうじゃん。」などど、今からみれば赤面物の勘違いをしていました。

踏ん張ると力みが生じます。力みを使うと体力勝負になってしまいます。
体の大きい者、筋肉の力が強い者、若い者が勝つように決まってしまいます。

力みのない、体全体を自然に統一的に操作できるためには、一本歯の下駄で、歩行訓練をするのがたいへんよろしいのです。私も長くこの下駄をはいて歩行訓練をしています。
この下駄の効用の一つは、「ぎっくり腰を起こすことがなくなる」ことです。

一本歯の下駄の関連記事はこれです。
http://blog.goo.ne.jp/keisclinic/s/%B0%EC%CB%DC%BB%F5



私の愛用の一本歯の下駄です。
何年も使っているので、鼻緒も何度も取り替え、下駄の歯には自転車のタイヤを切ったものを張り付けて補強をしています。


6年前の息子です。情けない顔をしていますね、、私の下駄をはいて見事にコケて、空手の道着が泣いてます。。。
今はこの子も16歳、私より大きくなりました。

この一本歯の下駄をはいて、近所のミルブレイ公園の野球場の芝生を歩いていると、時々公園管理のおばさんに「芝生に傷がつくんじゃないの?」と睨まれるので、そういうときは屋内で布靴による歩行訓練を行っております。


チャイナタウンで買った布靴です。


伝統的なものは、底の部分も布でできています。


しっかりとした布が何重にも縫い付けられています。


これは、娘が買ってきた布靴ですが、底がチープな樹脂製です。これは必要以上に滑りやすいので、武術の練習には不適です。

屋内で練習をするときは、このような布靴を履いて行うと、正しい姿勢と運歩法を身に着けるのに役立ちます。要は、無理のない身体操作を身につけるということです。

市販の運動靴は、西洋体育的な動きを基に作られているので、どうしても足で地を蹴って、その力で体をうねらせて前に進んだり、スポーツの動きをするようにできていますので、東洋的な動きをするためには不便です。

足袋や、布靴で正しく歩くためには、ガッと地を蹴るのではなく、スタスタと軽やかに歩んでゆくことになります。西洋体育の動きは、胸を張って手足を大きく振る、マーチをする時の歩みです。
東洋的な動きは、スタスタと、ややすり足で、身振りは大きくなく、いくら歩いても、着物の前が乱れたりすることもない動きです。
この時の足の接地の様子が平起平落とか、垂直離陸と表現される動きとなります。

このような動きができるようになると、決して強そうには見えないのですが、その動きは軽やかで、腰やひざに負担がかからないので、いつまでも疲れず、腰痛やひざ痛が起きにくい動きとなります。

こういう動きができると、力みがないので、動作の起こりが読まれにくいので、相手に対して常に優位に立つことが可能となります。

ねじらない、うねらない、踏ん張らない、身体操作は、あらゆる東洋的な芸事習い事に共通した基本です。東洋人には東洋人にあった動きがあるわけです。


いつも、足がきちんと靴底に乗っている状態を作るようにすることが大切です。


このように、足が靴底からずれ込んだ動きをするのは極力避けます。
ずれているということは、必要以上に踏ん張っているということです。
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