荻窪鮫

元ハングマン。下町で隠遁暮らしのオジサンが躁鬱病になりました。
それでも、望みはミニマリストになる事です。

美意識の巻。

2015年09月21日 | 華麗な生活に極めたシンプルを




2020年東京オリンピック・パラリンピックの新国立競技場問題・エンブレムパクリ問題で思ったのは『いかにニッポン人に“デザイン・意匠”というものが浸透していないか』という事でした。

とくにエンブレムパクリ問題では『オレ、デザインなんて分かんね~よ』とか『デザイン、デザインって何様?特権階級目線じゃないの?』という意見をネットで目にしました。

でも、僕たちみんな何かしら“デザイン・意匠”に触れて生きてはいるのです。

“デザイン・意匠”が存在しない“モノ”なんてありません。

問題はヒトが“デザイン・意匠”を意識するか、しないかでしょう。

“デザイン・意匠”がよく分かっていなくても、みんな凄ぇ高価なブランドやクルマを買うじゃないですか。

それって、ちゃんと“デザイン・意匠”を無意識に理解しているのだと僕は思います。

『お~、コレかっけ~!』とか『あ~コレ可愛い~!』ってのがそれ。

今回『オレ、デザインなんて分かんね~よ』とか『デザイン、デザインって何様?特権階級目線じゃないの?』という意見が頻出したのは、フツーのヒトが無意識に“デザイン・意匠”を理解していたのに、プロフェッショナル・専門家がしち面倒臭い事を言い出したからです。

これでは意見・考え方が平行線を辿ってしまうのは当り前です。

僕はデザイン業界において、トーシロとプロのはざまに身を置いております。

その程度の僕でも、もっともっと“デザイン・意匠”をフツーのヒトに理解して頂きたい。

では、どうしたら良いのか?

『美意識を磨く事』です。

これしかありません。

それでは、どうやったら美意識が磨けるのか?

その前にいつも僕が感じている『何がニッポン人の美意識をなくしているのか』を四つ挙げましょう。



ファミリーレストラン

通称ファミレス。ここには【回転寿司】も含まれます。そこそこ安価でそこそこの味が全国で同じ様に頂けるため、利用した事のないヒトはほとんどいないでしょう。

しかし中高生のガキがたむろし、ヒマなババアがベチャクチャ喚き、ヤンキーがウダウダするという、どうしようもない空間でもあります。

まさに美意識の欠片もありません。

ガキの頃から便利なファミレスに慣れたバカなヤツは、フツーのレストランにも自分のガキを連れて来ます。

ピーピー泣きやがって最悪です。殺しちゃえば良いのに。

コンビニエンスストア

通称コンビニ。24時間営業してて便利だし、トイレもあるし、公共料金の支払いなんかも出来るので、利用した事のないヒトはほとんどいないでしょう。

便利過ぎるせいかコンビニの、道路をはさんだ前にもコンビニ、という異常事態も都心では見かけます。

道路を渡る必要もないくらいに【便利】ってわけです。

しかし一方、街の景観はズタボロに。

ガキやリーマンは雑誌コーナーにたむろし、ヤンキーは駐車場でウダウダするという、どうしようもない空間でもあります。

美しい街、ビバリーヒルズには当然コンビニなんてありません。

アジア特有なんでしょうね。コンビニって。

婦人用軽快車

通称ママチャリ。まさに美意識の欠片もない一品であります。

【便利】を具現化するとここまでダサいモノが生まれるのか、という好例(悪例)。

これに乗って最寄駅まで通勤しているリーマンがいますが、全く理解不能です。

『ボク、ダサいで~す』って言っている様なもんですから。

どんなにお洒落なスーツを着ててもダメ。

カゴがある自転車って、ヨーロッパではほとんど見かけません。

アジア特有なんでしょうね。ママチャリって。

ビニール傘

通称ビニ傘。そりゃまぁ急に雨に降られれば買いますわな。

でも、一時的に使うもんじゃないの?ビニ傘って。

ハリー・ウィンストンでの廉価商品お披露目の際、セレブのみならず貧乏人も呼んだとか。

当日は雨。傘立てには大量のビニ傘がさしてあったそうです。

ビニ傘でハリー・ウィンストンに行く…、全く理解不能です。



コンビニで買ったビニ傘をさして、ママチャリでファミレスに行く…、デブなババア共の光景が目に浮かびますな。



要するに『便利に寄りかかり、楽をする』生き方に美意識は決して生まれないという事です。

無駄や無理があるからこそ、そこに余裕が生まれるって事もあるでしょう。

仮に高級レストランに行ったとします。

まずそこに、金銭的に【無駄】が生じます。

次に、高級が故の居心地の悪さ、すなわち【無理】が生じます。

でも慣れてごらんなさい。

必ず【余裕】が生まれるから。

上記の例えがストイックとは思いませんが、『便利に寄りかかり、楽をする』人生には美意識は宿りません。絶対に。

あと【孤高】である事でしょうねぇ。

ファミレスでベチャクチャ喚いてるデブの様な横並び意識が強いヤツに美意識は宿りません。

ま、デブって時点で美意識云々以前の問題ですが。

『私は流れに逆らって泳ぐことで強くなったの』ココ・シャネル(フランスのファッションデザイナー・1883~1971)