急に冬の寒さになった。西の空に、三日月が輝いている。薄い青をまだ残した空に、淡い黄色の細い月がさえざ
えと絵になっている。寒いのは苦手だけれど、温暖化の影響で冬の季節らしくない日々が続いているのも、やは
り落ち着かない。この寒空に月の光景、厳しさをみなぎらせていて好きなものだ。
年が明けて、東京、日本橋の画廊での個展も現実味を帯びてきた。作品は、少し変わったと思う。1997年の初
めて抽象画を描き始めた時に、戻ったのかもしれない。もちろん、全部が戻るなんてことはあり得ないことだが
そこが原点だとしたら、よく言われるように、基本に還るということだろうか。今まで個展は、全体を自分のカ
ラーでまとめあげていた。それがよかったのか、よくなかったかは別として、今は、少し開き直れたというか、
とにかく、ありのままに、やってみようと思っている。結果がどうであれ、そのようなことは、今後いくらでも
挽回できる気がする。何よりも大切なものは、変わり続けようとする意識、だ。
6月の個展、相変わらず、青の追求が続くだろうが、私自身のなかでの、新たな、青でありたい。
WORKS 2016 9.5×14cm 手透きハガキ 油彩