Kazuko MISAWA World

三沢かずこの青の世界 ー 作品の周辺

前に進む

2015-12-07 18:49:02 | アトリエから

アトリエで帰る準備をしていた。ベランダのカーテンを閉めようとしたら、ダイナミックな夕陽の濃いピンクの帯に目を奪わ

れた。西の空一杯に、勢いのある大きな刷毛で描いたようなオレンジとピンクの色彩が踊っている。しばらく見とれた。美し

さは、もうここにある。この自然にかなう色など出せるわけがない。私の今日の仕事は、ただただ、先行きの分からない画面

に、色を重ねたことに尽きる。変化させたい画面、でも、20年も描いてきた、濃いいつもの青の画面にどうしても、いきかけ

る。この色を濃くしたら、今までの青だ。安定感がそこにある。何度も、通ってきた道。でも、変えたいと思う。画面から離

れてみよう。濃い青の絵具を取り出そうとしたが、今日はここまでで終わりにしよう、と自分に言い聞かせた。小さな成長だ

筆を洗って部屋に戻ると、もう夕焼けは、暗さのなかにすっかり消えていた。鮮やかな光などまるでなかったような、夜の

とばりだ。

あと一歩だけ、前に 進もう..... 今日は特にスガシカオの歌声に励まされる。今日の作業を淡々と進めたら、いつか次の絵も

でき上がるだろう。来年の6月の個展に、どうか間に合いますように。

 

 

 

          フォト  2015

 

  

                               

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変わる

2015-12-03 07:50:21 | アトリエから

昨日、知人の個展を見に行った。観客の方が少なめの時だったので、絵の話ができてよかった。彼の作品は、感じがとても変

わったように思えた。重厚感を感じる画面であったが、とても軽やかさが加わっていた。画面の奥から明るさや、懐かしさや

せつなさのような思いが伝わってきた。毎年の個展でかなり、努力されているのだろうと感じられた。つい軽く、毎日描いて

いるのですか、と月並みに聞いた。毎日は、無理なんです。描けない時もあるし。という返事。私も現実に引き戻されて、そ

うだよなとうなずいた。同時に、ここのところ、試行錯誤している、絵を変えるということがこころいっぱいに広がった。そ

んな気持ちを言い当てるかのように、三沢さんは、青なんですよね。...と。

青は描けば描くほど、つかめなくて追求してしまう。他の人たちには、私の青はもう完成していると思われているようだ。私

のなかでは、まだまだの思いが強い。でもこの先にあるのは、もしかしたら、職人芸か。それは、最も避けなくてはいけない

ものだろう。

早朝からの雨がまだ降り続いている。霧も出てきた。光が弱くならないことを祈る。階下から、母の声、行ってくるね、と手

を振っている。きらきらと、お星様のように指を回している。元気だ。ほっとする。アトリエに行く時間が大分遅れている。

今日もやれるだけ頑張ろう。

 

 

 

           フォト 2015

 

 

                              

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする