秋晴れが続いている。セルリアンブルーの柔らかい青を眺める。飛行機雲のあとだろうか、上空に向かって白雲が立ち昇っている。こうして、秋らしい気候が続くことに、ありがた
さを感じる。朝の家事を終えて、アトリエに向かう。新鮮な日ざしのきらめき、下りの石段を、とんとんと駆け下りる。最後の段で、おっと危ない、手すりをつかんでセーフ。気を
つけなくては、もう若くはない。
ひたすら、ひたすら、画面に色を置いている。振り出しに戻った気分。何かを表現しようとか、何かをイメージしようとか、無しに、色を画面に重ねることに気持ちを向ける。何枚
の描きかけの作品が、私の傍らにあるのだろうか。気にすることはとうにやめている。こんな状態での制作のやり方もある。ただ、たまに絵を見ようと、後ずさりした時に、小さな
作品を踏んでしまうので、これには気をつけなくてはいけない。できれば、気分のいい時に、色を重ねたい。いかに気分のいい状態をつくるかが大切だと思う。夕方、落ちそうな日
を気にしながらも、外へ散歩に出た。こんないい気候は今しかない。時間がないので、コーヒーはやめて、アトリエに戻る。公園のブランコの影が、造形的におもしろい感じがして
カメラを取り出した。映像にすると、たいしたことはない。これも何かの勉強か。
日が落ちかけてアトリエのなかの光はかなり乏しい。でも、今日の仕事頑張る。小品に、色を重ねた。小さな画面だからかしら、何かが変わり始めたかもしれない。明日、がっか
りしたくないけれど、ちょっといい気分で、家に向かった。
フォト 2015