先日、テレビで画家の野見山暁治先生のインタビュー番組を見た。お昼頃からカボチャ切りや、玄米ご飯炊きなどを慌ててすませてア
トリエについたらちょうど1時。間に合ってよかった。見逃さなくてよかった。野見山先生は去年の12月で100歳になられた。まだ
現役の画家として活躍しておられる。私の母と同じ大正9年生まれなので、大いに気にかかりながらご健康を祈っている。先生にお目
にかかったことはなく画集が一冊アトリエの本棚にあるだけなのだが、お元気な姿に力をもらい続けている。この番組でもたくさんの
力をいただくことができた。先生が、画面に向かう姿勢、何かわからないものを得ようと日々心身をすり減らすご様子に心をうたれ
た。100歳の先生でも、わからないものを追いかける日々なのだ、70歳の私が画面に表現しようとするものがわからなくても仕方ない
んじゃないかと思えた。抽象はそうなのだ。画面から何かを引っ張り出して、見てくれる人に届けたい。心を込めて。野見山暁治さん
の鮮やかな深いピンク色のかたまりが空間移動してくれたみたいだ。絵に鮮やかさがプラスされた。