河﨑秋子、集英社文庫。
エキノコックスがテーマの「清浄島」が読んでみたかったけど、
文庫はまだなので、もひとつ気になるタイトルのやつを読んでみた。
作者は北海道の人なので、
一応6年北海道民であちこち出歩いた身には懐かしい地名がいっぱい。
中編が2つ、表題作と「東陬(とうすう)遺事」。
1つ目は、嫁に気を使い、今どきの理解し難い言動の孫を面倒みる主婦の奈津子は、
釧路の施設に入る母を見舞おうとして、不意に子供の頃の記憶が蘇り、
霧多布岬へ向かう。鯨が爆発するような記憶の正体は何なのか。
奈津子の失われた記憶とは。旦那が思いの外優しくてよかったね。
2つ目は、江戸末期に蝦夷地へ調査に向かい、野付半島での滞在先で親しくなった
姉弟と娘の三人。なんでそうなるんだとびっくりもしつつ、ありえるかとも思う。
「月を見て呆けた」ために死亡ってすごいフレーズ。
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