庭に白い花が咲きそろっていた。一つはハクチョウゲ(白丁花)。名前を忘れていたので、ネットの愛好者サイトで尋ねたらすぐにわかった。非常にありがたい。尖った五枚の花が特徴的だ。赤いつぼみが咲けるようにして開いている。根元にうっすらとピンクが差す。中国語名は「六月雪」。夏に雪の白さを想う風流がある。
ユキノシタも可憐な花をつけている。雪が共通しているのは面白い。こちらの中国名はその形から「虎耳草」と呼ばれる。
バイカウツギももうすぐだ。緑が青々としてくると、白さがより際立つ。
陸游の詩『遊山西村』に「柳暗花明又一村」の一句がある。山間の地でくねるような道が寂しく続いている。柳が茂って光がさえぎられるが、先に進むとパッと視界が開け、花が咲いているのが見える。人の住む村にたどりついたのだ。初夏の白し使者たちも、そんな気持ちにさせてくれる。