大学に戻って行事に追われているうち、もう一か月がたとうとしている。隔離生活その後の回想もこのへんでピリオドを打ちたい。
10月7日夜、まるまる14日間の隔離を終え、18日午前宿泊先のホテルを発った。最後の受付で、協力に対する感謝状と隔離証明を受け取った。久しぶりに開放されて見る外の景色は格別だった。
福州南から潮汕駅までの高速鉄道では、乗客のほとんどが義務付けられたマスクを着用していたが、汕頭市内では、バスや公共機関を除き、マスク姿はまったく見かけない。完全に以前の正常な生活が復活している。
汕頭大学構内でも学生はマスクをしていないが、校門の出入りは厳しく規制されている。教師は身分証を見せれば自由に往来ができるが、学生は十分な理由を二日前までに申請し、認められなければ外出ができない。広州や深圳の大学はすでに完全開放されているところもあり、各地によって対応はまちまちだ。青島やウイグル自治区で症例が確認されるたび、ここ大学でも、当地への渡航歴を確認する厳しいチェックが行われている。
うちの学生たちは、先生が自由で学生が制限されているのは不公平だと、アンケート調査を取る動きも出ている。さてどんな結果になるのか、心情的には学生を応援している。
学生食堂で日本取材チーム「新緑」との再会も果たした。すでに推薦で大学院が決まった学生が2人、12月の研究生試験にチャレンジする学生が3人、それぞれの道を歩み始めているが、これまで頑張った激励として、東京五輪の「金メダル」をプレゼントした。まだ日本行きの希望は捨てていない。みな日本でのコロナ撲滅に期待している。
前学期のネット授業で会えなかった学生とも、私の宿舎で一緒に料理を作り、食事会をした。直接の対面ができなかった分、お互いの気持ちがより深まったようだった。にぎやかな宴で、気が付いたらワインが2ダース空になっていた。
最後に強調したいのは、今回のコロナ制圧を通じ、上は政府から、下は庶民に至るまで、一様に中国の人々が自信を深めたということだ。当初、日本では武漢で始まった感染を対岸の火事と高みの見物をし、ことさら習近平政権の動揺をあおるような論調も見かけた。その点については3月初めの時点で、このブログや他のメディアを通じて異なる視点を指摘しておいた(https://ironna.jp/article/14463)。
来年夏に東京五輪を控えた日本がどのような対応、態度を示すのか、世界が注目している。日本人が世界に向けて自信を持てる日が来ることを願っている。
(完)
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