(公式サイト)http://epaper.southcn.com/nfdaily/html/2018-11/27/content_7765841.htm
昨日27日付けの広東有力紙『南方日報』が1面全部を使って汕頭大学新聞学院の北海道取材ツアーを特集した。大学の小さな一プロジェクトが、メディアでこれほど大きく扱われることは珍しい。編集担当の余丹記者は同学部の卒業生であり、一方、実習生として取材をし、記事を書いたのは同学部ジャーナリズム専攻2年の胡少華だ。熱意ある2人の若者に感謝したい。
記事は、今年5月末から6月初めにかけ、高齢化社会や職人精神、森との共生などのテーマを持ち寄って行った取材の経験や思いがけないエピソード、準備段階の苦労などを紹介している。
中には、小樽観光協会通訳担当、李鷺虹さんの紹介もある。李さんは香港出身で、中国語の共通語のほか英語、広東語も堪能だが、それ以上に、取材対応への熱意が学生たちの心を打った。取材前から学生たちは李さんとメールで連絡を取り合い、取材対象や内容について丁寧なアドバイスを得ることができた。小樽での主な取材テーマは、ガラス細工をはじめとする伝統的な工芸と地域振興だった。
さらに彼女は、取材を受ける前に小樽職人に関する本を精読し、重要な部分を中国語訳しメモを用意しておいてくれた。それを受け取った学生の一人、蔡少頴は、「紙そのものは軽いが、心には重みがあった」と取材に応じた。
このほか、熱心に対応をしてくれた函館ラサール高校教頭小川正樹さんや十勝千年の森設計者高野文彰さん、美瑛ポテトの丘オーナー松田武夫さんらのエピソードも紹介されている。
私もインタビューを受けたが、新緑チーム6人のコメントが掲載されたので、以下、その部分のみ翻訳する。
李鈺欣(テレビラジオ専攻4年)
--今回の海外取材は、学生の専門的な技能を鍛え、視野を広げてくれただけでなく、中国と海外との民間交流を実現したもので、より開放的な態度で民間交流を進めることは、非常に大きな意義があると思う。
史嵐嵐(テレビラジオ専攻4年)
--以前は「君子の交わりは水のごとし」という言葉が理解できなかったが、今回の取材を通じ、取材対象者が冷静に、かつ冷淡でもなく、あたかも当たり前のように応じているのを見て、その意味が少しわかった。相手の話を聞きながら、その人たちの目には、私たちは取材をする記者ではなく、臨時か友人のように映っているのだと感じた。
李婷(ジャーナリズム専攻4年)
--小さいころから「万巻の書を読み 万里の路を行く」教えは知っていたが、本による知識だけでなく、実際に自分で体験するすることが大事である。今回の海外取材は、言うまでもなく実践の旅である。若さに任せ、先々の土地で異なる体験をすることでようやく、寛容の心をもって世界を受け入れることができる。
劉錦屏(国際ジャーナリズム専攻4年)
--北海道取材ツアーは私に学業実践の機会を与えてくれただけでなく、実践の中から自己を発見し、各方面での成長を促してくれた。時には外に出て、異なる環境に身を置き、感じ、体験し、発見することが必要だ。こうして駆け回っているうちに、絶えず自己を見直し、生活の魅力を探し当てることができる。
蔡少頴(ジャーナリズム専攻4年)
--汕頭大学の中だけでは、私の視野は狭いが、海外で取材をすることで、見識が豊かになり、さらに広い角度から問題を考えることができるようになる。いわゆる「机上の空論」というように、書物やネットなどが与えてくれるものだけでは限界があり、本当にあるものを知ろうと思えば、必ず自分で経験しなければならない。
李青彤(国際ジャーナリズム専攻4年)
--今回の経験を通じ、北海道を深く、正しく知ることができたうえ、さらに重要ことに、自分に対するまったく新たな認識が生まれたことを感謝したい。短い時間だったが収穫は多かった。以前は、「私は思う」「当然のことに」といった言葉に囚われていたが、自らの実践によって、ニュースの事実についてマクロ的な把握ができるようになった。
以上が彼女たち6人の率直な感想である。実体験の重要さを感じてくれたことが何よりもうれしい。多くの方の力添えに対し、改めて感謝申し上げたい。