行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

グリーンネックレスが花びらのない花をつけた

2015-12-26 15:27:52 | 日記
大掃除をしていてベランダのグリーンネックレスが花をつけているのを見つけた。





アフリカ産の多肉植物で、グリンピースのような球状の葉をつける。この中に水をたくわえているので、乾燥に強いそうだ。文字通りネックレスのようで、そこが人気を呼んでいるのだが、逆に、気味が悪いと敬遠する人もいる。和種を好む私はむしろ後者の方だった。

開いたのは紫色の花は、よく見ると花びらではなく、花糸と呼ばれる雄しべの一部だ。先に黄色い花粉がついている。着飾らない素朴さを表しているようでもあり、寒風をじかに受ける力強さを主張しているようでもあり、この遠方からの来客に親しみがわいてきた。年の瀬に思わぬ贈り物が届いたような喜びか。人の気持ちは勝手なものである。

【日中独創メディア・北京発】「北京の空気は改善された」との発表に怒る市民たち

2015-12-26 11:13:10 | 日記
昨日25日の北京紙『京華時報』が、「北京の大気汚染対策は段階的に効果を上げている」とする市当局の発表をそのまま掲載し、連日、スモッグにせき込む市民からブーイングが起きている。気持ちは痛いほどわかる。怒るのももっともだ。

記事は9面の総合ページに掲載され、見出しは「北京の今年の経済成長は6・7~7% 来年も安定的な運営を維持する見込み」。北京市統計局と国家統計局北京調査総隊、北京市発展改革委員会が共同で北京市の1月から11月までの経済状況を説明したものだ。金融、情報、科学技術などのサービス産業が伸び、国家目標である産業構造の変革が進んでいることを強調している。また、1~9月の都市部可処分所得が前年同期比で8・5%増、農村部が9・3%増となり、所得格差も縮まっているという。おまけに石炭燃焼量を大幅に減らし、1~11月のPM2・5平均値は前年同期比で16・6%減となった。いいことづくめである。

ふだんはこの手の公式発表に関心を示さない市民も、つい先日、初の大気汚染レッド警告が出て、連日のスモッグにさらされている実感と大きく隔たっている数字には異論がある。11月までの統計だと言われてしまえばそれまでだが、市民の神経を逆なですることを承知で公表し、それをなんの論評もなく掲載するメディアは、庶民感情というものをもう少し考慮した方がよい。こうした時に、習近平がしばしば指摘する「政府・党が大衆から遊離している」現状が露呈される。

ただ、北京市の肩を持つとすれば、北京のスモッグは北京市内だけでなく、むしろ河北省や内モンゴルなど周辺の内陸部からの影響が大きいことに留意すべきだ。環境基準を下回る工場の排出物や粗悪な大型トラックの排気ガスが行政区分に関係なく流れ込んでくる。北京市の発表には「うちはちゃんとやっているんだ」という恨み節も感じられる。

中国の環境問題はしばしば湖や川の水域が複数の省にまたがっているなど、汚染源と被害エリアが必ずしも一致していないことが課題として指摘される。各省はそれぞれの経済目標があり、指導者が自分の栄達をかけて取り組んでいる。各省はしばしば国から金やポストを奪い合う競争相手となる。責任を押し付け合っているようでは、広域的な環境問題には対処できない。自分の住んでいる土地、国を大事にしようという指導者がいなければいくら法律を作っても実行されない。

日本の公害対策も、法を武器にした集団訴訟とそれを支えた弁護士、そして市民運動とそれを支えたメディアの存在があったからこそ成果を上げることができた。政府と汚染企業が進んで対策に乗り出したわけではない。その意味で、冒頭に挙げた記事の責任は「泰山」より重い。