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アジアに勝て9

2014-05-29 00:03:18 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 今シーズンのACLは何とか、ベスト16にJリーグから3チームが進出しましたが、その後は2012年と同じく揃って敗退しています。Jリーグと日本協会による日程の調整、金銭的補助、スタッフ派遣等で支援する「ACLサポートプロジェクト」という支援制度ができたというのに、結果を見ると全く変わってなく、昨年のJ1柏のベスト4から大きく後退したのではないでしょうか。そんな中、ACLについて2つのコラムを読みました。抜粋して紹介
   
 ※画像は昨年のもの  

「必要不可欠な命題――ACLを奪還せよ。Jの真価が問われるアジアでの戦いぶり」:二宮氏:スポナビ
【キーワード1:過密スケジュール】
 Jリーグは4月中旬からACL出場チームは週2ペースで試合をこなしている。1カ月で10試合。ラウンド16に入る前に、疲労の蓄積も懸念されるスケジュールではある。韓国のクラブはここ5年間ですべて決勝戦に駒を進めている。Kリーグクラシックはラウンド16に進んだことでFCソウルはリーグ戦を回避できており、「ACL重視」の編成を考えるなら、ラウンド16に入る前の日程を再検討する必要があると言える。
【キーワード2:経験値】
 昨年のACLを経験している「東」エリアのクラブは、中国から広州、貴州の2クラブ、韓国からソウル、全北、浦項の3クラブ。日本は唯一、広島のみが2年連続の参加。このうちラウンド16に進めなかったのは貴州のみ。この事実からも、ACLでの経験値は大きいと言える。
 この経験値を持って来年も参加できるかどうか。アジアのレフェリーの特徴を知ったことも大きい。ちなみに今年も昨年のACLを経験したなかで、「東」は広州、ソウル、浦項の3チームがベスト8に進出。
【キーワード3:ACLの価値】
 Jリーグ、クラブの本気度もかかわってくるように思える。過去に浦和やG大阪が優勝した頃の「のどから手が出るほど欲しいタイトル」に近い位置づけが、どうも下がっているように感じられる。リーグ戦と同等のプライオリティーをクラブが感じていけるような働きかけという要素も必要になってくるのではないか。昨年からJリーグからの後方支援があるが、クラブの本気度に火をつけるに至っているかどうかは疑問。JリーグはA契約選手の登録数をACL出場チームだけ2枠増やして「27」にもしているが、積極的な補強に踏み切るクラブはそう多くはない。
スポナビ該当ページ:http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/soccer/jleague/2014/columndtl/201405190001-spnavi

「Jリーグ勢がACLで勝てない9つの理由」:川端J論編集長:J論
【その1:金がない】
 総じてJクラブの強化費が絞られてきている傾向にあるのは確か。J1浦和がACLを制した2007年の予算(営業費用)約77億円に対し、2013年度は約56億円。お金がないので大きな補強ができないというのは一面の事実として存在。当時のJ1浦和が超アジア級の2外人選手を雇えたのも、この潤沢な資金あってこそ。
【その2:中国には金がある】
 ACLが発足した2002年から現在までの12年で長足の進歩を遂げているのが中国。典型が広州恒大で、イタリア代表のディアマンティを獲得できた資金力は驚異的。かつてのJ1浦和がやっていた事の逆パターンと言える。
【その3:ブラジル人が取れない】
 グローバルな「ブラジル人助っ人獲得競争」でJクラブが後れを取っている。ブラジル自体が大きな経済発展を遂げて、国外へ出稼ぎに行くメリットが減じているという面もある。2007年、2008年のアジア制覇は強力なブラジル人助っ人あってこそのもの。あのレベルの選手をそろえるのは、内外の事情によって許されなくなってきている。
【その4:日本人選手の海外進出】
 代表選手の多くが欧州進出を図る状況にあって、日本人トップクラスの選手で国内に残っている選手が僅少になっているのも事実。新しい戦力が台頭しても、それが海外に出て行ってしまう難しさは、チーム力を高めていく意味でもネガティブな影響。
【その5:勝負弱い......のか?】
 「内容では勝っていたのに」というゲームが多いのも事実。Jクラブがラウンド16で敗退することが非常に多いことからも分かるように、一発勝負でのギリギリの競り合いに苦戦している傾向があり、韓国勢がこういった戦いに強いのもまた確か。
【その6:ジャッジ】
 不思議なジャッジに直面するように、ACLのレフェリーのクオリティーは低い。コンタクトプレーへの寛容さもJリーグと異なるという指摘が多くなされてきた結果、日本の審判たちも積極的に取り組み、「フットボールコンタクトの容認」という形で、以前よりもずっとJリーグでも激しい当たりが許容されるようになってきている。
【その7:過密日程である】
 移動の負荷が大きい上に週2回のペースで激闘をこなしていく難しさは大きい。地方クラブの場合は国際空港までの国内移動まで重なるので、さらに困難な状況。ラウンド16がJリーグにとっての稼ぎ時となるGWにバッティングしていることも大きく、このタイミングが特に過密日程になるのも問題。助っ人を取る予算がなく、日本人選手は欧州へ出ていってしまう現状の中で、ターンオーバー可能な戦力的余裕を、各クラブそろって欠いているという現実も存在。
【その8:Jリーグが幸せなリーグである】
 J1クラブの戦力は全体的に拮抗しており、予算の大きいクラブが定期的に降格していく、そんなタフでハードなリーグという「幸せな」状況もACLでは不利に働く。リーグ戦で一切の手抜きが許されないという現実があり、ACLに注力した結果、降格という事が十分に起こり得るリーグだからこその難しさは、確実にある。
【その9:ACLのプライオリティー】
 JリーグよりもACLを獲りに行くというプライオリティーが見出せないのも確か。良くも悪くも国内リーグの価値が高いJリーグは、国内リーグを捨ててACLに注力することは困難。他国が実際にやっているようにACLの勝ち残り状況次第で日程を順次動かしていく国内リーグと、そこに来るお客さんをないがしろにするような判断が正道とも思えない。
「J論」該当ページ:http://j-ron.jp/jacl9.php

 ここで、「ポストシーズン制が導入される来季以降は、Jリーグの日程がさらに厳しいものとなることが確実」とあります。Jリーグ自体が長期的視野でなく、目先の売上に走った事で、ここでも大きな損失を生んでいます。つまり、目先の利益追求で国内サッカーのレベルダウンを引き起こしていると言えるのです。2月に開幕が前倒しになって選手のオフが削られ、再来年のACLは疲れ切った日本勢は、ラウンド16に1チームも出れなくなるのではないでしょうか。同時に日本代表も弱体化し、代表が弱くなるのに比例してJリーグも更に冷え込むという「悪魔のスパイラル」に陥るという事です。すべて、目先の利益追求による「失われた5年」のせいです。
 「J1のクラブ数を削らないならば、国内カップ戦の統廃合や出場資格変更を含めた、大きな決断も必要になってくるかもしれない」と締めくくっています。ACLでなぜ勝てないかという話から、2ステージ制の弊害まで話が行ってしまいましたが、問題は根が深いと思います。広州恒大のような特別なクラブは置いておいて、中国はともかく、韓国勢がなぜ毎年上位に進出できるのか、そこではないでしょうか。過密日程が原因とわかっていながら、2ステージ制の開始で更に過密になるという悪循環。日本のサッカーはこれからどうなっていくのでしょうか。

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