事例紹介コラムです。
少し遅れましたが長崎さん、J2昇格おめでとうございます。やりましたね。来シーズンはお手柔らかにお願いします。当ブログで過去の記事をひっくり返してみると、このブログがスタートしてしばらく経った2006年頃に4回ほど紹介していました。当時のファジは、ちょうど法人化の手前。木村社長が登場した頃ですか。とあるお店で一木会のメンバーさんと集い、初めて顔を出された木村社長から名刺をいただいた頃ですね。確かまだ、前の会社のものでした。懐かしい。
下のリンクを観て欲しいですが、記事のスタイルが古くて苦笑いしてしまいました。長崎さんは当時、群雄割拠していたKyuリーグ(九州リーグ)で戦っておられて、元気のある九州チームの一つという認識でした。Vファー麺懐かしいですね。今もあるのかな。
Jリーグの臨時理事会で入会を承認されましたが、大東チェアマンからやや辛口コメントをいただいたようです。以下、抜粋して紹介。
クラブの財務状況に目を向けると、入会の基準である債務超過の解消をクリアしたに過ぎない。シーズンを通して安定した経営を行うには財務基盤が十分とは言えず、経営に課題は残っている。長崎には2つの指導項目を付け加えた。
一つ目は、2013年度決算の黒字化。二つ目は2013年の純資産の十分な増額。来シーズンについては、安定した経営基盤を築けるよう予算や事業計画をもう一度厳しく見直し、組織体系の改革に着手し、J2に定着するにふさわしいクラブになるよう努力を続けて欲しい。
来シーズンの開幕前には諫早市にホームスタジアムが完成。今シーズンの平均入場者数は約3,500人程度だが、新スタジアムが多くの観客でにぎわい、新しいスポーツ文化が根付くことを期待。
率直に言って現時点では順風満帆な船出であるとは断言できる状況ではないが、クラブを支えている支援者の気持ちをしっかり受け止め、安定経営に向けて覚悟を決めて臨んでもらいたい。
確かに厳しいコメントですが、ファジがJ2に昇格した時も、スポンサーが不安定で、胸スポンサーが就くのが条件。確か11月中が期限と言われていた覚えがあります。リーグ側は親心で、最初は厳しく接するのですが、東京Vの時のようにいざとなったら親身になって救ってくれる存在だと認識しています。確か、ほとんど注文がつかなかったのは山雅さんくらいじゃないかな。
ここで改めて、長崎さんについて紹介したいと思います。
長崎県諫早市を中心として長崎県全域をホームとしており、2004年に国見高サッカー部のOBが中心で作った国見FCと、有明SCが合併して、新生有明SCが発足。2004年は県リーグを戦い、2005年から2008年まで九州リーグを戦う。2009年からJFLに参戦。2005年にポルトガル語で「勝利」を意味するヴィトーリア(どこかで聞いた言葉ですね)の頭文字Vと、オランダ語で「航海する」という意味のファーレンを組み合わせた造語でチーム名に。ちなみに、「V」は「ブイ」ではなく、「ヴィ」か「ビ」と読むそうですよ。
2009年から3年間JFLで戦い、準加盟申請して一度は承認されたが、Jリーグ入会予備審査の段階で経営委員会から、改修する県総合公園陸上競技場の代替になるスタジアムがJリーグの基準を満たしていない点と観客動員数が3,000人以下であるとの指摘され。1億円以上の広告収入を得てないこと、資本金45万円では経営的に不安であるとの経営面などに指摘を受け、2010年シーズンまでにこれらの問題を解決できずに2010年のJリーグ入りを断念。
その後、成績面でも昇格基準に達せず、2011年までJリーグ入会予備審査申請を見送っている。スタジアム面で2013年の参入も不安視されたが、改装中の諫早市の長崎県立総合運動公園陸上競技場の改修工事が終了し、来シーズンのJリーグ開幕に間に合った。2012年の準加盟で唯一J2ライセンスを獲得。JFL優勝を決めて昇格決定に至る。
公式HPを観てみました。
「サッカー専用スタジアム建設署名活動」が行われています。建設を強行に求める為の署名ではなく、クラブが目指す「スポーツを通じた街作り」を広く訴え、皆で協議していこうというための署名であり、県民の草の根レベルの意見として署名を集め、議論を深め、実践していける部分は実践していこうというための署名です。傍士理事も関わっておられる事でしょう。
こちらのクラブには後援会があります。オフィシャルファンクラブが見受けられないので、そういう部門を兼ねているのかな。こちらもキチンとサポートショップがあります。しかし、やらないところはどうしてなのかと改めて思います。
「HAPPY V TOWN PROJECT」という事業があります。「いきいきキッズ」「ユメセン(夢の教室)」「芝生いっぱい育成事業」「Go!Go!ヴィヴィくん!!」「イベント参加」の5つの事業を実施されています。特にユメセンは素晴らしいですね。2011年の実績を見ると長崎さんから、佐藤由紀彦選手が11月に1回、2月に2回、2010年の実績を見ると、11月に佐藤選手の他に原田武男選手、久留貴昭選手、吉本哲朗選手、福嶋洋選手と5人も参加されています。また、ユメセンHPを見ていると、元ファジで現在、福島ユナイテッドに所属している山口選手の名前を見かけました。元気そうですね。県のTさんの話では、ユメセンもトップアスリート事業の対象になっているとか。湯郷ベルの選手以外でも、岡山でもこういういい活動を多く観たいものです。
会社概要を観ました。しっかり情報公開されています。コンパクトな役員構成ですが、これから地域から支援を吸収してバージョンアップされるのではないでしょうか。
以上、今後のご活躍を祈念しております。お手柔らかに。
JFL(J2)長崎公式HP:http://www.v-varen.com/
V.ファーレン日記(公式ブログ):http://www.v-varen.com/blog/
JFL(J2)長崎関連④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20061128
〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060807
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060215
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060125
そして、長崎さんと入れ替わりで、JFLに降格するJ2町田については残念でなりません。町田さんといえば、やはり選手による読み語りです。Jリーグチームの中で、J1川崎くらいしか見られなかった素晴らしい活動です。そういうレベルの高い部分をキープしながら、来シーズンは3部リーグでブラッシュアップして、更にパワーアップしてJ2に来られたらと思います。某黄色いチームがJ2・J1連続優勝したように、JFL優勝のあとにJ2の上位に食い込む可能性もあると思います。一度降格したチームは強いです。今シーズンJ1で優勝争いを繰り広げている広島も仙台もJ2に降格経験があるし。また、同じカテゴリで戦えることを祈念しております・・・と書けば、「何を言う、我々はもう1年でJ1に上がるのだから、同じカテゴリにはならない」という声も出るかもしれませんが(苦笑)。
あと、JFLに降格しても決して地域・社会貢献活動を忘れないで下さい。公式HPを見る限り、商業主義・勝利至上主義で、選手を街に出さないという事にはならないとは思いますが。選手ともに町田のまちに愛され、町田のまちにしっかり根を張って下さい。まあ、町田さんが昇格すれば、また別のチームが降格する事になるのですが・・・