J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

クラブ経営について47 【J特】

2012-10-11 00:18:04 | スポーツ文化・その他

 事例紹介コラムです。
 昨日の日経新聞を読んでいたら、面白い記事を発見しました。当ブログで日頃言っているキーワードを時折思い起こしてしまう内容でした。「我らのクラブ 育む地域」というタイトルで「英国サッカーの源流 上」「商業主義に反発、運営参加」というサブタイトルです。以下、抜粋して紹介。
    
 マンチェスター・ユナイテッド(マンU)のような強豪がまぶしく輝くもとで、星くずのようなクラブが生き続けている。英国サッカーは裾野は広く、そこに豊かなサッカー文化が醸成されている。床職人が22年前に左腕に入れたマンUの入れ墨は色が褪せているが、自慢の入れ墨は右腕にある。FCユナイテッド・オブ・マンチェスター(FCUM)のエンブレムがある。
<入場料5割上昇>
 マンUは2005年に米国富豪一族に買収され、その買収と商業化路線に反発したサポーターが同年総説し、10部リーグからスタートしたのがFCUM。「会員が所有し、運営するクラブ」を謳い文句に、今シーズンは7部に所属。
 創設の先頭に立ってやってきたウォルッシュGMはかつて、マンUのファンマガジンの編集者。1998年には、メディア王マードック氏の買収を、抗議デモと政治家へのロビー活動で阻止した実績があるとか。
 ウォルッシュGMは「サッカーがビッグビジネスになり、マネーに支配されている。投資家の意見が優先され、ファンの声はクラブ運営に反映されない。ファンは一番下に置かれている」と。トップクラブはスター選手を集めて戦績と売上を伸ばそうとするが、ファンは入場料のてグッズを買いあさり、「おらが町のクラブ」という雰囲気はない。
 FCUMの運営方法は、そうした流れに疑問を投げかけ、クラブをファンのもの、地元コミュニティのものとして守ろうという哲学をもとにしているとか。クラブを所有する会員は2,588人。すべてが平等で、議決権はそれぞれが1票しか保有できない。「経営者と選手とサポーターは三位一体で、フラットな構造になっている」とウォルッシュGM。大株主が牛耳るクラブとは成り立ちが違うとしています。

<利益は出さず>
 経営に当たる11人のボードメンバーを選ぶのも、入場料を決めるのも会員。入場料の設定はクラブの運営費から逆算しつつ、なるべく低く抑える方針で、利益は出さない。今シーズンの年間チケット代は決められているが、寄付として余分に払う人が多い。
 リーグ戦の1試合平均入場者数は、減少傾向だが、今シーズンは1,114人で年間総収入は約80万ポンド。新スタジアム建設の資金集めも進められているそうです。FCUMのサポーターの大半は、マンUの入場料の高騰に嫌気がさして鞍替えした人ばかり。「サッカーはスタジアムに足を運んで、ハートで観るもの。しかし、マンUの試合を見続けるには年間1,000ポンドかかる。ここなら150ポンド。だからみんなここに来ている」とベテランサポーター。
 今でもマンUを愛しているが、地元ファンをないがしろにした経営方針が許せないと。「マンUがファンの方を向くようになったら、また行ってやるが、FCUMと試合がかぶったら、こっちに来る」とも。
 選手は学生や別に仕事を持つパートタイムばかり。150年前のイングランドサッカーの草創期のように、選手は地元コミュニティーに支えられ、コミュニティの代表として戦う。両者の距離が心理的にも接近しているから、プレーにも応援にも魂がこもる。そこに英国サッカーの原型があると締めくくっています。

 まず思い出したのが、以前の岡山のTV特番で、マンチェスターのようなクラブが理想とした内容。特番を観た時に「ユナイテッドもシティーも、金満クラブだろ」と思い、マンUを手本にしたJ1浦和もまた企業チームだと思いました。岡山がそういう路線を歩いていいのかと思っていました。個人的には親企業のない市民クラブでありながら、名実ともに充実しJ1優勝争いを演じているJ1仙台こそが理想像だと思います。

 以下、ネット等で見たものを集約した一般的な話なので、どのカテゴリでどのクラブとは特定できません。
 この記事には当ブログでよく口にする表現がよく出ています。「商業主義」という言葉は、「売上・利益至上主義」に該当します。「投資家の意見が優先され、ファンの声はクラブ運営に反映されない」という言葉は、「大口スポンサーばかり見て、ファン・サポーターの目線に立っていない」に該当。「声が少ない」という事を口にするが、分散しているだけで少なくない。それを集約するシステムがないだけ。J1柏やJ1磐田は完備していますね。
 「クラブは地元コミュニティのもの」は、「地域へのホスピタリティ」に該当。「三位一体」は本来は、行政・財界・市民という意味が一般的ですが、この記事ではちょっと違った表現ですね。「サッカーはスタジアムに足を運んで、ハートで観るもの」は「感動の密度」「心の温度」に該当。

 役員に該当するボードメンバーを、会員で決めるというのはいいですね。誰も押した訳ではないのに、いつの間にかその位置に立っているという事例もありました。価値観がおかしいから降ろせるのも会員というのはいいですね。確かに入場者数は少ないようですが、今は7部リーグという事で、日本でいうとどのカテゴリになるんだろか。新スタジアムの資金集めも夢があっていいですね。
 と言いながら、FCUMのサポーターもまだマンUを愛しているという事も書かれてありますね。ここでは、「応援するのは1つのクラブだろ」という理屈は存在しないのでしょう。また、日本の文化とはちょっと違うし、奥深さを感じます。読者の皆さんの地元クラブはいかがですか?J1もJ2もあると思いますが、一つの集約事例として参考にして下さい。香川選手がいるから目を向けるだけで、こういう話を聞くとFCUMを応援したくなりました。

 FCユナイテッド・オブ・マンチェスター(FCUM)について、ちょっと調べてみました。
 2005年に、マンUから「投資目的の米国人に魂を売り渡したクラブは愛せない」と新規創設。クラブカラーはマンUと同じ赤と白。3季連続で昇格を続けて、2010-2011シーズンはノーザンプレミアリーグ・プレミアディヴィジョン(7部相当)に所属。株主になるための年間会費は最低10ポンド(約1,300円)。額の大小にかかわらず、1人は1票の権利で運営。ユニホームの胸には広告は入れない。1試合の観客動員力は2千人を超す。このクラスの平均は200人程度。「真のユナイテッドは、われわれが作る」と、この新しいクラブ創設のために、地元の4000人が年間費用10ポンドを払ったとか。
 クラブハウスというか、建物の外観がジャイキリのETUにちょっと似ていますね。AFCウィンブルドンも同じようなクラブのようです。
FCユナイテッド・オブ・マンチェスター公式HP:http://www.fc-utd.co.uk/index.php

 話は変わり、昨日の天皇杯3回戦でJ2岡山は、J1名古屋に惜敗でした。ネットで様子を観ていましたが、惜しかったですね。天皇杯は上のカテゴリチームとガチで対戦できる貴重な機会です。いい経験ができたと思います。レンゴール炸裂しています。これでまた、こぐまワッペンゲットですね。レン選手の活躍を観たJ1関係者から声がかかったりして。現地組の皆さん、お疲れ様でした。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする