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クラブ経営について46 【J特】

2012-10-03 00:42:26 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介レポです。
 昨日付けでJリーグはクラブライセンスに関する発表を行いました。何分日本初導入で、日本全国ハラハラしておりましたが、とりあえず全容が固まりました。申請のあった全41クラブに来シーズンのライセンスが交付されますが、ライセンスもJ1ライセンスとJ2ライセンスがあり、明暗が分かれた格好になりました。J1ライセンスは33クラブ、J2ライセンスは8クラブとなりました。今回の分水嶺は、J1試合開催のための、1万5千人の観客数という事で、財務諸表での判断は表向きには目立って出ておりません。
    
 J2の北九州、水戸、草津、町田、岐阜、鳥取、愛媛の7クラブと、JFL所属でJリーグ準加盟の長崎は、J2ライセンスになっていますが、J2の7クラブはホームスタジアムの収容人員が条件を満たさないためにJ1ライセンスを得られなかった形になります。現在北九州は9、水戸は12位でプレーオフの6位以内を狙えなくもない位置ですが、実質来シーズンもJ2所属が決定。
 大分はJ1ライセンスですが、Jリーグから借り入れた6億円のうち未返済の3億円を10月12日までに返済しなかった場合、J1昇格資格を失うとか。大分さんに関しては地元財界が全面バックアップで、その辺りはクリアできそうです。JFL長崎はこれでJFLで優勝すればJ2最下位と自動入替、2位ならば入れ替え戦に戦う事になるのかな。入会審査はありますが。

 クラブライセンスは競技、施設、人事組織、法務、財務の5分野56項目の基準があり、審査は毎年実施されるそうです。Jリーグが任命する弁護士、公認会計士らで構成する審査機関(クラブライセンス交付第一審機関(FIB))が財務状況や施設など5分野56項目の基準を基に判定。債務超過のある横浜などには是正通達が出された上でライセンスが交付された。という事は毎年この秋はクラブライセンスのニュースで一喜一憂する事になるのかな。また3期連続赤字を出せばライセンスは交付されませんが、確か今年度から3期のはずです。
 一部のクラブに対し、経営改善の指導がなされたようです。スタジアムの屋根の大きさやトイレの数などの基準を満たさないクラブについては、10月中に改善策を書面で回答になります。現在3期以上連続の赤字決算となっているJ1の横浜Mや神戸などは審査機関から是正を通達。

 今回のクラブライセンスの発行について、各クラブからコメントが出ているので、全クラブ確認してみました。J1のメジャークラブはクラブ発表自体がないところが多く、あっても最小限度の報告でしたね。それに比べてJ2特にJ1未経験クラブは詳しく報告しているところが多いです。目に留まったクラブを抜粋して紹介。
 B基準未充が多いですが、B等級基準(特にスタジアムの屋根の大きさ、トイレの数)を充足していないクラブに対し、ライセンス交付ち同時に制裁が科されています。
【クラブごとの公式HPでの発表(主なもの)】
町田: 現在、ホームスタジアムの町田市立陸上競技場が改修中。来年2月にはJ2基準を満たす1万人以上の競技場が完成するため、審査を通過。
栃木: Jリーグから2点の通知。①B基準未充、②クラブ経営の強化に向けて、改善要望の個別通知。
熊本: B等級未充足。是正通達(債務超過解消および単年度黒字化の計画を立案のうえ提出。2013年度予算はJリーグの指導を受けながら編成)
鳥取: スタジアムの入場可能数を増やす必要があるため、スタジアム所有者の鳥取市に、基準を満たすための整備を要望。B基準未充。
水戸: 水戸市と何度も議論を重ねてきたが、昨年の東日本大震災で受けた被害の影響は予想以上に大きく、未だ市内の多くの箇所で復旧工事が手付かずの状態。今すぐにスタジアムの増席工事を行うことは難しいという結論により、結果的に特例として認められず。
松本: B基準未充。
鳥栖: 社内の管理体制や施設基準に関して、改善依頼事項として数点の指導。
岡山: B基準未充。

【クラブライセンス制度の主な審査項目】
分野:財務/等級A =2012年度以降に3期連続赤字、14年度以降に債務超過でないこと
         等級A =選手報酬の未払い金や税金の滞納がないこと
分野:施設/等級A =競技場の収容人数がJ1では1万5千人以上、J2は1万人以上
         等級B =観客席の1/3以上を屋根で覆うことを推奨
         等級B =観客千人に対して洋式トイレ5台以上を設置
分野;競技/等級A =18歳以下などのアカデミーチームを持つ
※Aを満たさないクラブはライセンス不交付。Bは制裁。

 今回の制裁は、B基準未充など条件面で、スタジアムなどハード面が表向きには目立っていますが、実は経営状況など内部環境もしっかり指導されているのではないでしょうか。結果的にJリーグライセンス(J2以上)は全クラブがもらえたという結果は、事前にしっかりJリーグ側が各クラブに指導していた結果だと思います。今後は、今年見えなかった内部環境も、来年以降に徐々に情報が出てくるのかもしれません。

 この一連の流れで残念なニュース耳にしました。J2昇格を狙っていたJFL讃岐が27日に、クラブライセンス交付申請を取り下げると発表。クラブは「現状では資金、選手育成、入場者数などの面で大変厳しい状況にある」とのコメントを発表しています。じっくり地を固めて、大手を振ってJリーグにお越し下さい。待ってますよ!

 最後に当ブログでずっと口にしていた持論です。Jリーグ規約等で義務つけられている選手等の地域・社会貢献活動ですが、クラブ経営にも影響を与えるケースもあります。ぜひJリーグはその辺りも考慮し、クラブライセンスの発行要件の中に反映させるべきです。スポーツ興行と地域・社会貢献活動はJクラブとしての事業活動の両輪だと考えます。前者ではJ1ライセンスかもしれないが、後者では果たしてJ2ライセンスがもらえるのかと思わせるところもあるのかもしれないので。あくまで個人的持論ですが。
Jリーグ公式HP該当ページ:http://www.j-league.or.jp/release/000/00004701.html

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