J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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湘南ベルマーレの事例29 【J特】

2011-10-01 00:34:53 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 先日のアウェー観戦会で嶋君が持参した朝日新聞土曜版「be on Saturday」(7/16)を読んでみました。当ブログで「Jで一番尊敬する社長」と言っているJ2湘南の眞壁社長の特集です。眞壁社長の記事はいろいろなシーンでよく読んでおり、大体内容はわかるかなぁと予想していましたが、新しい話題もあり、なかなか面白かったです。「フロントランナー」「地域密着の『総合型クラブへ』」というタイトルです。以下、抜粋して紹介。
   
 親子3代にわたる造園会社の社長・サッカー経験はない。それでも、一度はなくなりかけたクラブを10年以上支えてきた。転機は1999年。ベルマーレ平塚(当時)の存続運動を支援していた、友人の河野代議士から手伝いを頼まれ、翌春までの話だったが、湘南ベルマーレに欠かせない存在になる。
 2000年に取締役に就任し、スポンサー探しに悪戦苦闘する。資金が十分でない中、あえて地域貢献に力を注いだ。Jリーグの理念である「地域に根ざし誰もが楽しめる総合型スポーツクラブ」を目指し、NPO法人「湘南ベルマーレ」を'02年に設立。サッカーのユースチーム、ビーチバレー、トライアスロン、ソフトボール等のチームを創設。市民を対象にした健康づくり教室を開校。
 Jクラブと別の法人にすれば、Jクラブが経営危機に陥っても、若い世代がサッカーをし、市民がスポーツを楽しむ場を存続できると考えたそうです。

 今、その総合型スポーツクラブに新しい可能性を感じているそうです。ソフトボールチームを'05年に設立させるために準備をしていたところ、選手の就職先の世話や練習場所提供に、次々と名乗りがあがったから。遠征の弁当は地元のおばあちゃんが提供。
 「利益うんぬんじゃなく、楽しいとか応援したいという気持ちで人が集まってくる。縦割り社会の日本で新しい関係を作り、行き詰った人間関係を解決できる大きな潜在能力を持っている」と社長。

 '04年に社長に就任。情熱の源は「郷土愛と仲間かな」と。チームは現在J2に逆戻り。胸スポンサーはなし(7月現在)。だが、目先の利益にとらわれない。「苦しい時期にこそ、チャレンジし続ける総合型スポーツクラブでなければ。50年後、湘南が日本のスポーツの先駆者だったと言われれば十分」と社長。

<眞壁社長インタビュー>
-サッカー経験はないそうですが、学生時代は・・・。
 大学は自動車部。秩父でレースを「し、ラリーのイベントも開催。ラリーはお金がかかるので、商品カタログの撮影用ドライバーや、車の雑誌に原稿を書くアルバイトをしていた。
-その頃の経験は役に立ったのか。
 世に出だしたワープロで、イベントの企画書を書いて、スポンサーを集めるために企業まわりをしていた。その中で、イベントには広告会社が絡んでいることを知り、興行の世界のことを覚えた。ラリーでは地方の野山を走るので、地域の人と密着に付き合うことも必要。大会開催2ケ月前から挨拶回りをし、社会と接することをそこで覚えた。
-02年にNPO法人を設立。
 予算規模が少なく、神奈川県にはプロ球団が5つもあり、勝った負けた以外に「売り物」がないと続かないと思った。そこで地域に根差した総合型スポーツクラブに関心を持った。Jリーグ百年構想の原点でもあり、特色が出せると思った。
-最初から理解が得られたのか。
 不思議と反対する人はいなかった。ビーチバレーやトライアスロン等の競技チームを作ると、みんな一所懸命。自分達と同じ物を持っていると思った。同じ物というのは、上を目指す向上心を含めたマイナー感。当時は湘南もJ2で、選手達も貧乏だが、毎日一所懸命に生きている。エリートでも秀才でもないけれど、社会の中でとても大切な価値だと思います。ベルマーレや地域にとって絶対にプラスになると思う。
-総合型スポーツクラブで、新しい可能性も感じ始めたそうだが。
 様々な競技の教室やイベントを年間240回開催すると、子供だけでなく親同士も新しい人間関係ができる。やはり人間はそういうつながりを求めている。偶発的であってもベルマーレを介して出会っているから安心してつながっていく。総合型スポーツクラブには大きな潜在的能力があると感じる。
-ベルマーレを支え続ける理由は何か。
 ベルマーレに携わると、ベルマーレの幅広い可能性に気づき、自分は社会からいつの間にか大事な役割を仰せつかったのでは感じるようになった。仲間と一緒にちゃんと目的地に行きたいと思う。
-どういうクラブにしていきたいか。
 経営は安定させたい。ベルマーレを介して仲間に感謝することや、感謝されることの大切さに触れ、改めて自分の存在意義を感じてもらうこともできると考えている。地域貢献やCSR(企業の社会的責任)というが、行政も手の届かない社会的貢献ができるのではと思っている。スポーツはその最たるものではないかと思っている。

 これらの紹介記事を打ちながら、いろいろと思いました。眞壁社長さんはサッカー経験者でなく、他のスポーツに尽力されていたから「総合型」に全力投球できたのではないか。どこという訳ではありませんが、なまじサッカー経験があるクラブ役員であればサッカーに拘ってしまって、こういう事が思い描けないのではないかと。
 Jを目指すクラブさん、J2でもがいているクラブさんで視察を望まれる場合、当ブログとしては、とりあえず経営を安定させればいいと思われたら、ハード面で恵まれているクラブを、目先の数字ではなく、100年続くクラブにしたいならこちらのようなクラブを参考にし、眞壁社長さんにお話を聞かれてはいかがでしょうか。鳥取さんはどちらかというと後者ですね。印象ですが、元湘南のGMさんがおられる事もあり、自分たちのクラブ作りに自信をお持ちです。「賑やかそうだから今度行こうか」というクラブではなく、「本当にいいクラブだから、カレンダーにみんな○をつけなきゃ」と思わせる、ハート面に優れたクラブ作りがいいのではないでしょうか。
 すいません、偉そうな事をいろいろと口にしましたが、当ブログもあくまで読者のみなさんと一緒に勉強している立場なので、誤解のないよう。もともとはファジネタの時にヒット数が多いのですが、なぜか最近は、他のJクラブ事例の記事の時がヒット数多いです。
J2湘南公式HP該当ページ:http://www.bellmare.co.jp/28162
湘南ベルマーレ関連:2827262524232221

コメント
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