がらくたどうBlog

模型趣味とその他諸々

「ケープタウン」&「ジュラシックワールド」

2015年08月08日 | ホームシアター&エンタメ

連日熱いっすねぇ。漢字間違ってないですよ。暑いよりも暑いが本音。車乗ってドサ周りしながら日に焼けていく毎日です。

412T2、ようやっとケースの台座に固定しました。今回は、アクリ屋.comさんに依頼して、ウェーブのQ型ケースの底面にピッタリ合うサイズで3mm厚のアクリルを切り出して貰いました。

まだ設置してないけど、カウル用の台座も今回は廉価版ながらアクリルのキューブを同時に注文して、これに乗っけて本体横に飾る事にしとります。目下ステアリングの切削研磨と

サイドミラーの整形&塗装作業をチマチマしとる段階。前も書きましたが、レジン材が多用されてるこのキットですが、開封して製作開始してから随分経ってるってのに、

何処も劣化してないのは凄いの一言。積んでるキットが随分あるんですが、当面安心して積んでおけますな。ちなみにデカールも未だちゃんと貼れます。クリアーもラッカーながら

時間置きすぎて枯れ果ててから磨いてるだけに全く問題無く艶を維持してます。投げずに丁寧に仕事しといて良かったと今更乍らに思うところです。

 

 

「ケープタウン」

 眼力の乏しい日本の配給会社にソッポ向かれてたフランス映画に「ラルゴ・ウィンチ」ってのがあった。コレが中々面白い作品で、実際欧州興行成績も良かったらしく、

これを監督監督したジェローム・サルの新作がこの「ケープタウン」。原題は「ZULU」という題で、ズールー戦争やアパルトヘイトを含めた南アフリカの血の歴史が本作の鍵となっている。

 主演は、「ロード・オブ・ザ・リング」で弓の名手レゴラスに扮し、多くの女性ファンを虜にしたオーランド・ブルーム。良くも悪くもレゴラスの印象が強すぎる彼だが、

今作では少々イカれた暴走刑事という役どころで、レゴラスの印象を払拭したいという思惑も手伝っての熱演だった。

 また、共演と言うより共同主演というポジションに収まるのが、オスカー俳優フォレスト・ウィテカー。「ラスト・キング・オブ・スコットランド」で各映画祭の主演男優賞を総ナメにした記憶も新しいが、

実際その演技力の幅は非常に広く、本作でも「南アフリカの黒人警官で非常にクレバーながら温厚で有能な管理職刑事」という役どころを見事に演じている。

 

 冒頭、アパルトヘイト時代の出来事か、目の前で父親を焼き殺された少年が、必死の形相で逃げているシーンから始まる。このシーンの意味は後々重要になってくるのだが、

その逃げていた少年が今では立派な殺人課の刑事になっていた。刑事の名はアリ(Fウィテカー)。或る日、彼の元に事件の一報が入ってきた。植物園で20歳前後の女性の撲殺死体が発見されたのだ。

所持品の中にレンタルビデオ店の会員証が入っていたことが糸口となり、被害者は友人からビデオの会員証を借りていた女性で、有名な元ラグビー選手の愛娘である事が判明する。

 一方、妻と離婚し荒んだ生活に身を貶めていた刑事ブライアン(Oブルーム)は、アリから事件の一報を受け捜査を開始。問題ばかり起こすブライアンを疎ましく思っていた警察署長は、

上司であるアリにブライアンを捜査に加えることに疑問を呈すが、アリは「彼は非常に優秀な捜査官だ」とツッパねる。

 アリ、ブライアン、そして彼らの良き友であるダン(コンラッド・ケンプ)の三人は、スタンと呼ばれる男が事件の鍵を握っていることを突き止めるのだが、

植物園の遺体から、謎の成分を含んだ新種の合成麻薬が検出されたこと、同じ成分の合成麻薬が入った金色の包み紙が、最近頻発していた黒人少年失踪の現場から見つかっていたこと等が絡み、

これが単なるレイプ殺人ではない様相を呈してくる中、彼ら三人に突然の悲劇が訪れる。

 

 本作は、単なるミステリーでは無い。一つの殺人事件が発端ではあるが、アパルトヘイト解消後に南アフリカが抱える事となった新たな人種問題や民族問題、

取り分け19世紀の大英帝国との争いで身を滅ぼしてしまったシャカ・ズールー王率いる族の歴史が根底に有る。

 更には、刑事三人の私生活を掘り下げて描き出し、その私生活が事件解決へ向かっての進展に大きく関わってくるところも斬新。

アリは、昔父親を差別主義者に殺された過去を持ちながらも、差別意識の強い所長の下にありながら出世を果たし、

アリの母は敬虔なクリスチャンで、年老いながらも未だ息子のアリの身を案じ続けていて、そんな母に心配掛けまいとアリは常にデスクワーク中心の事務方刑事を装う。

その部下であるブライアンは、父親が差別主義的な思想の持ち主で、それへの反発もあって父親が死んでも未だ墓に墓標を刻むことを拒み、

離婚した元妻との間に生まれた子の養育費を巡って元妻と啀み合っており、ダンは難病を患った妻を気遣いながら、アリやブライアンの前では気丈に振る舞う。

友情の三すくみとでも言うんだろうか、三人それぞれがお互いにとってのブレーキにもなっていて、そのバランスが崩れたときに”日常”が脆くも崩れ去っていく。


映画『ケープタウン』予告編
 

 これは素直に面白かった。登場人物の内面まで描くってのは多々有るんだけど、その内面こそが主題であって表だっての描写は内面を表現する為のオマケでしかない様な描き方。

結局の所、人間の行動というのはその内面にある心理面が行動に出ただけの事であって、問われるべきは行為よりもむしろ心理であるという話だった。

ラルゴ・ウィンチではどちらかというと痛快なアクションの方が印象強かったのだが、本作では逆にズドーーンと重い張り詰めた空気感が最後まで漂い続けたのだが、

その重々しさに反するかのような南アフリカケープタウン付近のビーチや砂丘の乾いた空気感とのコントラスト差が、何とも言えない絶妙な雰囲気を作品に持たせている。

巷では解りにくいとか抑揚が無いとか酷いのになると救いが無いなんて評もあった本作だが、どうしてどうして、そこいらのありきたりな結末が見えるミステリーより余程面白かった。

惜しむらくは、「ラルゴ・ウィンチ」同様に何故か日本では小規模上映で終わってしまったことか。

 

「ジュラシックワールド」

もう20年以上も前のこと。マイケル・クライトン原作の「ジュラシック・パーク」が映画化された。この小説版「ジュラシックパーク」を大学生の頃読んだ自分にとってみれば、

これをどうヴィジュアル化するのか非常に興味があったのだが、このシリーズ最初の映画化では、脚本に原作者のクライトンが関わっていたこともあって、

概ね原作の流れやテーマに沿う内容になっていて何度見たか解らない位、自分にとってリピート鑑賞数の多い作品の一つとなった。

 しかし、続編の「ロストワールド」が全てをぶっ壊してしまう。クライトンの本意は今となっては知ることも出来ないのだが、原作小説では一作目に増して非常に面白く、

またスペクタクル要素も満載の素晴らしい内容だったのに対し、映画版はスピルバーグ側に「原作無視しても良いからご自由に」と小説版と並時進行での製作となった事も災いして、

スピルバーグ自身の恐竜好きからくる誇大妄想をヴィジュアル化した自慰的作品に成り果ててしまう。終盤アメリカ本土の岸壁で咆哮するT-REXを見たときには、

手に持ってるジュースのコップをスクリーンに投げてやろうかと思ったほどだった。

 そして三作目。監督がスピルバーグからジョン・ジョンストンに変わり、原作者のクライトンも全くと言ってイイほど関わらない中制作された続編。二作目は無かった事にして、

この三作目を第一作の正式続編と考えた方が幾分精神衛生上は良いかも知れない。ただい、あくまで「ロスト・・」よりマシってだけで、内容は原作小説は言うまでも無く

劇場版第一作にも遠く及ばない。

 そして、今回の4作目。既に原作者のクライトンもリチャード・アッテンボローも他界した今、本作がどう転ぼうがお咎め無い環境ってのもあるのか知れないが、

まさかまさかの4作目である。図らずも家族で新規オープンしたJR大分駅の駅ビルに遊びに行ったところ、偶々その日が公開初日だったこともあって、

カミさん&娘2人の女子組がウィンドウショッピングに勤しむ間、駐車場の無料券をお確保すべく1人で同ビル内のシネコンでコレを鑑賞。

当初は「ターミネーター・ジェネシス」かもしくは「アヴェンジャーズ」の新作を観ようかと思っていたのだが、生憎どちらも日本語吹き替え仕様での上映だった為断念。

BD出たら家で観ればいいやと思っていた「ジュラシックワールド」を鑑賞するしか無かった。昔は日本語吹き替え仕様なんてのは家庭用パッケージソフトのオマケでしか無かったのに

今やスッカリ市民権を得て、むしろ字幕版よりも上映スケジュールに恵まれている場合が多い。個人的にはリップシンクが合わないと生理的にキモいので吹き替え版は有り得ないんだけど。

 ターミネーター・ジェネシスのようなリブート作ではなく、本作はあくまでシリーズ4作目という位置付け。旧シリーズの親玉ジョン・ハモンド(故リチャード・アッテンボロー)が遺したジュラシックパークは、

度重なる事故により多大な人的被害を出したこともあって大失敗。しかしながら、彼が遺した恐竜たちは、パークのあったイスラ・ヌブラル島は今やハモンドと懇意だったサンジェイの息子サイモン・マスラニの手によって

20年の月日を経て「ジュラシック・ワールド」として再生され、今や世界的に大人気の恐竜テーマパークとして賑わっていた。

 しかし、恒常的な黒字運営を図るには、今やT-REXやトリケラトプスといった定番の恐竜たちだけでは物足りなくなってきており、サイモン達施設の上層部は禁断の手法に手を染めてしまう。

ジュラシックパーク時代にも計画に参画していたヘンリー・ウー博士の指揮の下、遺伝子工学の粋を尽くして様々な生命体の遺伝子を掛け合わせたハイブリット恐竜を生み出そうとしていたのだった。


←20年前のウー博士。原作だと恐竜にぶっ殺されるんすけどね。

 公開されたばかりなので詳細は書かないけど、今作は金の掛け方と内容の出来映えのアンバランスさが酷いと思う。例えるならハリウッド超大作としては最大級とも言える金を掛けておきながら、

内容は「ジュラシックポーク」とか「ジュラシックパンク」ってタイトルが付きそうなビデオスルーのB級ビデオ映画レベルの内容。スピルバーグと言えば「ジョーズ」という歴史的超大作があったけど、

この「ジュラシックパーク」もシリーズを追うごとに酷くなる御約束は未だ健在って感じ。疾走するラプトルと共にバイク乗った人間が最凶の暴君を倒すべく森を疾走するしーなんか見せられた日には、

クライトンが生きてたら全身の関節が脱けて崩れ落ちるんじゃなかろうか。

 た・だ・し、ヴィジュアルエフェクト的には素晴らしい映像だったのも間違いない。今やラプトルはもっと小型で全身が羽毛で覆われていたことが解っているにもかかわらず、

「ジュラシックパーク」当時の考証からの再現、即ちトカゲっぽい姿を踏襲していたり、今回初の海生巨大生物としてモササウルスが出て来たり、あくまで本シリーズに於ける恐竜像をしっかりトレースしていて、

科学的考証をガタガタ持ち込まないならば、動く恐竜を巡るサバイバルアクションという意味での迫力は過去最高の出来。これだけの映像を作れるのであれば、

発表当時映像化は無理なんじゃ無いかと言われていたクライトンの小説版「ロスト・ワールド」もリブートすることが可能なんじゃなかろうか。むしろそっち方向に舵取りして欲しかった気がする。

まぁ、小説版を映像化するとすれば、興行的な面で考えるとどうしてもレーティングの問題が出てくるだろうし、日本以上に海外、殊更アメリカでは恐竜が子供に人気があることを考えると、

本作のようなギリギリのラインで尚且つ救いのある形で幕を閉じさせる必要があるのだろう。

また、本作には過去作同様に子供が絡んできます。実は原作小説でも「ジュラシックパーク」「ロストワールド」で各々登場する子供が大活躍。

しかし、その活躍には意味があって、たとえば「JP」では非常に頭の良い少年ティムが一々騒いで周囲を危機に陥れる妹のレックスを護りながら、

最後は大人達が子供たちを護って次々命を落とす中、勇敢にもパークのシステムを再稼働させ急死に一生を得るという重要な役どころであったし、

「LW」では、頭脳派草食系男子のアービーと肉体派肉食系女子のケリーをはじめとする子供達の機転によって何人もの大の大人が命を救われていたりする。

本作では、全力中二病の兄ザックと恐竜マニアで臆病者のグレイという2人の子供が半ば主人公的に出て来ますが、今作のこの2人の子供は、

殆ど逃げ回るだけで何も仕事はしません。むしろ、コイツらのお陰でタダでさえ危機的状況にあったパーク内の被害が更に拡大してしまう事となってしまいます。

本作の主演はクリス・ブラッド。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で地球人とエイリアンのハイブリットな主人公を演じた彼が、今回はハイブリット恐竜に酷い目に遭わされる。

立ち位置的にはシリーズ御約束の博士系ではなく、一作目のマルドゥーンの様なポジション。ジュラシックワールド内では主にヴェロキラプトルの飼い慣らしに挑戦中であり、

自らラプトルのボスとなるべく、ラプトル4姉妹の行動を綿密に研究している。お陰で恐竜の生態にも非常に詳しい。

こういうプロットが好きじゃ無いんだよなぁ。恐竜と人間が相容れちゃいかんすよ。まぁエイハブ船長の物語生んだ国も今や日本やノルウェーを目の敵な位ですから、

「愛さえあればわかり合える」と寝ぼけたことおもうんでしょうけどね。

して、本作のヒロイン(?)は、ザック&グレイの叔母であるクレア女史役のブライス・ダラス・アワード。どっかで見たことあると思ったら、

美人なヒロインのキャスティングを本能で避ける漢サム・ライミ版のスパイダーマン3で、サブヒロインだったグェイン役の女優さんでした。

ちなみに本作では、エロくもカユくもありません。華になってないというか、逃亡劇の立派なお荷物ですよ。

っつー感じで、内容はアレだしキャスティングもゴニョゴニョなのでぶっちゃけこれをレンタルで借りてきて普通に観ちゃうと30分で眠くなる可能性もあるんですが、

自宅に5.1ch以上の再生環境があるなら、大音量再生とかしちゃうと結構楽しめる作品かも知れません。それと、今回は「進撃の巨人」や「ターミネーター新機動」に3Dを取られてたらしく

IMAX画角さえ楽しめないホールでの鑑賞だったのだが、本来はIMAX 3Dで鑑賞するよう設計されている作品であり、事実3Dだとのけぞっちゃうようなエフェクトも沢山ありましたんで、

家庭用で発売されたらもう一回本来あるべき鑑賞形態で観てみようと思うところです。

映画『ジュラシック・ワールド』日本版予告編3

 

尚、ジュラシックワールドの公式サイトは結構面白い作りになってます。或る意味本編よりもコッチの方が面白いかも(笑

ジュラシックワールド公式

コメント (3)
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