日本民間放送連盟(民放連)の機関紙『民間放送』。
その11月23日号で、「メディア時評」を書かせていただいた。
取り上げたのはテレビ東京のドラマ「モリのアサガオ」である。
この秋のドラマの中で、いい意味で異彩を放っているからだ。
「死刑制度に挑んだ意欲作」とタイトルが付けられた文章を、私は以下のように書き出している・・・・
連続ドラマを見るというのは、ある期間、登場人物たちとつき合うことだ。
彼らと並走しながら、自分とは違う人生を垣間見ることだ。
いや、それはオーバーか。
「あいつ(かれら)はどうしているだろう」と気にすることかもしれない。
気になるから、見る。
いつものクールと同じように、10月に始まった連ドラも初回は全部見た。
その中の何本かは、残念ながら翌週から見ていない。
私が「気にする」必要もないまま、登場人物たちは彼らの日常を生きていることになる。
・・・・「モリのアサガオ」は、ヘビーだけど、見てしまう(笑)。
彼らが気になるから。
一人は凶悪犯ばかりの死刑囚舎房に配属された新人刑務官・及川直樹(伊藤淳史)。
もう一人は自分の両親を殺害した男とその娘を殺した死刑囚・渡瀬満(ARATA)だ。
実際に、裁判員裁判で死刑判決が出始めている現実。
死刑制度は、すでに私たちと遠い存在ではなくなっているのだ。