ずっと気になっていた映画『セッション』を、ようやく観ることができた。
名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。
なんとまあ、すさまじい映画が出てきたもんだ。
ジャズファンとしては、セッションというタイトルから勝手な想像はしていたけど、しっかり裏切られました。
おそるべし、デイミアン・チャゼル監督。
名門音楽学校の生徒と教師のお話、だなんてノンビリしたことは言っていられない。
千本ノックの鬼特訓みたいなハードプレイの連続なのだ。
圧倒的な存在感を示すのは、やはりJ・K・シモンズ。
この教師の情熱(狂気?)とエネルギーはどこから来ているんだろう。
ジャズの神様の采配?
この映画、実は映像もスゴイのだ。
たとえば、ニーマンとフレッチャー、それぞれの顔のアップが行き来するカット。
並みのパン(カメラの首を振る)ではない。どうやって撮ってるんだろうと思うほど高速なのだ。
ビュンビュンなんてものじゃなく、ピピッてな速さだ。
それでいて、2人のアップはピタリと決まっている。
「どうなるんだろう」「どうするんだろう」と、サスペンス映画を見ているような心臓ドキドキが続く。たたみかけるようにジャスも次々と流れる。
どのシーンも気が抜けないというか、緊張感持続のままだなあと思ったら、何とすべてのシーンに主人公が出ていたらしい。それって何気にすごい脚本であり演出だ。
うーん、もう一度、観たくなってきた。
チャーリー・パーカーも聴き直したいなあ。
久しぶりのサントラも入手してしまった