民放各局の4月改編を整理しておく。
『産経新聞』(2010.03.21)の記事によれば・・・
<TBS>
今春の改編では、夜7時台はバラエティー中心となる。月曜は、木曜午後7時55分から放送中の「関口宏の東京フレンドパークII」が、以前の時間帯に復帰。水曜午後7時55分からの「時短生活ガイドSHOW」も、7時からの放送開始に繰り上がる。火、木、金曜にはそれぞれ、新番組が投入される。
<テレビ朝日>
苦戦が続いていた「報道発 ドキュメンタリ宣言」(月曜午後7時)を土曜午後5時に移動する。「ゴールデンタイム(午後7~10時)で視聴率が取れないと判断したわけではないが、視聴率が2けたを超えないテーマが多い現状では厳しい」と平城隆司編成制作局長。代わって、深夜の人気番組「もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!」が放送される。
<日本テレビ>
平日午後7時から放送中のバラエティー「SUPER SURPRISE」を火、木、金曜だけの放送に変える。代わりに月曜は「不可思議探偵団」、水曜には「密室謎解きバラエティ 脱出ゲームDERO!」のバラエティーを投入する。テレビ東京では、平日午後6時半から30分枠で放送中の人気子供番組「ピラメキーノ」が、金曜は午後7時からも「ピラメキーノG」として登場する。
<フジテレビ>
こうした各局の動きに対して、平日午後7時台の変更を行わなかったのがフジテレビだ。同局ではすでにバラエティー番組中心で編成されており、中でも各局がこぞって改編に踏み切った月曜は、バラエティー番組「ネプリーグ」が常に視聴率20%台を維持している。
・・・ざっと眺めて分かるのは、完全な“バラエティー・シフト”だということ。
報道番組やドキュメンタリー番組は、ますます圧迫(迫害?)されていく。
この記事には出ていないが、TBSは『CBSドキュメント』を、今月17日の放送を最後に打ち切った。
アメリカのCBS『60 Minutes』の日本語版ということになるが、ピーター・バラカンさんの解説が視聴者との見事なインターフェイスになっていた。
放送開始が1988年の秋だから、20年を超える長寿番組だ。
昨年暮れには、毎週だった番組を、隔週に変更している。2週に1回の放送で、しかも深夜25時29分から。
にもかかわらず、支持する視聴者は確実に存在していた。
TBSの全ラインナップの中で、良心的番組、高価値(有意義)番組と呼べる1本だったことは確かだ。
『CBSドキュメント』を打ち切って、この枠をどうしたいのか。
恐らく、バラエティー的なものを始めるのだろう。これだけ深い時間帯もまた“商売の場”として使っていくのだ。
失ってみて、ようやくその価値に気づくことはよくある。しかし、この番組の価値は、失わなくても十分に分かる。
TBSは、また一つ、大きな誤りを犯したとしか言いようがない。残念だ。