碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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“モテ男”片岡愛之助、絶賛出演中のドラマ「LOVE理論」

2015年06月10日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、片岡愛之助絶賛出演中のドラマ「LOVE理論」を取り上げました。


テレビ東京系「LOVE理論」
モテモテの愛之助を起用した
キャスティングの勝利

モテるんだねえ、片岡愛之助。熊切あさ美の次は藤原紀香だという。

歌舞伎界には「芸の肥やし」という有難い言葉もあるので、この騒動をしっかり収めて、舞台に精進してもらいたいものだ。

その愛之助が、何ともタイムリーなドラマに出演している。その名も「LOVE理論」。

茨城から東京に出てきた大学生(大野拓朗)が、「モテたい」という夢を必死で追いかける物語だ。愛之助は、大野のバイト先であるキャバクラの店長。しかも、“恋愛理論の達人”という裏の顔を持っている。

大野がアプローチしているのは、新人キャバ嬢として入店してきた、同じ大学の女子学生(清野菜名、好演)。

毎回、愛之助が大野に授けるLOVE理論が笑える。たとえば、わざと障壁を作って相手を揺さぶる「ロミオとジュリエット理論」。また、トラブルを抱えた相手に取り入るための「そんな事か理論」などだ。

金髪のかつらを被った愛之助は、マスターとしての威厳と自信をもって、大野を指導していく。

しかも、そのテンションの高さが異様だ。「理論通りには展開しない、自身の恋愛への苛立ちがあるのか?」などと、つい余計な想像をしてしまう。

2年前、コンビニを舞台に同名のドラマが放送されたが、その時の恋愛理論マスターは中村獅童だった。連続してキャスティングの勝利である。

(日刊ゲンダイ 2015.06.09)