碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

ドラマ「黒服物語」は、オトナの社会見学

2014年12月10日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、テレビ朝日のドラマ「黒服物語」について書きました。


「黒服物語」(テレビ朝日系)
斯界の“ダブルスタンダード”がよくわかる
オトナの社会見学

「黒服物語」(テレビ朝日系)が今週、最終回を迎える。舞台は池袋のキャバクラ「ジュリエット」。浪人生だった青年(Sexy Zone中島健人)が黒服として入店し、夜の世界で成長していくというお話だ。

ちなみに黒服はキャスト(キャバクラではホステスをこう呼ぶ)のサポート役で、マネージャー的存在なり。

このドラマ、キャバクラの基礎知識から内部事情までを学べる、いわばオトナの社会見学だと思えばいい。キャスト同士、黒服同士の戦い。ご法度となっているキャストと黒服の恋愛。ライバル店による嫌がらせや引き抜きなどの営業妨害。さらに客としてどう振る舞うべきかのヒントもある。

キャスト陣も賑やかだ。佐々木希、黒川智花、AKB48の柏木由紀と入山杏奈、そして筧美和子などが艶姿を競っている。中でも小悪魔型キャストの入山が光る。客の歓心を買いながらも巧みにかわしていく手練手管がいっそアッパレなのだ。

銀座のクラブでホステスのアルバイト経験をもつ女子学生を、日本テレビが「アナウンサー内定取り消し」としたことで裁判になっている。この件では、職業差別、女性差別、清廉性の問題など、テレビ局の社内的ダブルスタンダード(二重基準)が露呈した感がある。法廷での展開に注目だ。

いや、もちろんジュリエットのキャストたちの今後も気になります。

(日刊ゲンダイ 2014.12.10)