自燈明

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八十二番 動因法師

2014年10月12日 | 百人一首
思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり

つれない人を慕い悩んで、それでも命だけはつないでいるのに、そのつらさに耐えきれないで涙ばかりが溢れることだ。

思ひわび  「思ふ」+「侘ぶ」で、思い悩む。この場合は、自分の思うようにならない恋の悩み。
さても命はあるものを 「さても」は、それでも。「思ひわび」ている状態を表す。「は」は、区別を表す係助詞。「ものを」は、逆接の接続助詞。
憂きにたへぬは 「憂き」は、ク活用の形容詞「憂し」の連体形で、つらさの意。「に」は、動作の対象を表す格助詞。「ぬ」は、打消の助動詞「ず」の連体形。「は」は、区別を表す係助詞。「命はある」と「たへぬは涙」を区別し、対比している。
涙なりけり 「けり」は、初めて気付いたことを表す詠嘆の助動詞。

どういんほうし (生没年不詳)
藤原敦頼 (ふじわらのあつより) 。平安後期の歌人。高齢に至るまで歌道に精進したものの、歌合で藤原清輔に敗れるなど、その評価は低かった。

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