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八十三番 皇太后宮大夫俊成

2014年10月15日 | 百人一首
世の中よ 道こそけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿鳴くなる

世間から逃れる道はないものだなあ。思い詰めて分け入ったこの山の奥でも、悲しげに鹿が鳴いているようだ。

世の中よ 「よ」は詠嘆の間投助詞。
道こそなけれ 逃れる方法はないものだ。「道」はここでは手段、方法などの意味。係助詞「こそ」は意味を強める働きをする。「こそ」を受けて、「なけれ」は形容詞「なし」の已然形で結んでいる。二句切れ。
思ひ入る 深く思い詰める。深く考え込むことと、山に入ることを掛けている。
山の奥にも 山の奥もまた、世間と大差なかったという気持ち。「山の中にも」とする本もある。
鹿ぞ鳴くなる 鹿が鳴いているようだ。鹿は雄が雌を慕って鳴くといわれていて、秋のもの悲しさを表現する場合に多く用いられる。「なる」は推定の助動詞「なり」の連体形で、強意の係助詞「ぞ」の結び。

こうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい (1114~1204)
藤原俊成。父は俊忠、定家は息子。「千載集」の選者で、著書に「古来風体抄」など。

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