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北極星

2018年04月15日 | サイエンス
 こぐま座のα星(ポラリス)は、天の北極に位置し、北の方角を教えてくれる
重要な星で「北極星」と呼ばれ親しまれています。
(ちなみに、天の南極に位置する「南極星」に相当する星はありません)

 ただ、正確には完全に天の北極に位置しているのではなく、0.7度ほどズレ
ています。さらに地球の自転軸そのものが、勢いが衰え止まりそうになっている
コマのように大きな円弧を描いてふらついているのです。
このふらつきを「歳差運動」と呼び、自転軸は約2万6000年の周期で大きな
円を描いてふらついているわけです。そして、その円上で自転軸の向いた方向に
見えている星がその時代の「北極星」と呼ばれるわけで、もちろん時代によって
北極星となるべき星は、移り変わっていくことになります。

 今から5000年ほど前には、りゅう座のα星(ツバーン)が北極星でした。
ピラミッドの中央にある「王の部屋」という棺の安置所から、北の空に向かって
長いトンネル状の通路(窓?)が設けられており、その窓は、その当時の北極星
ツバーンの方向を指しています。 
 逆に、今から約14,000年の未来、こと座α星(ベガ/織女星)が、北極
星の座に君臨することになります。

 このように、地軸は、竜座、小熊座、ケフェウス座、白鳥座、琴座、ヘルクレ
ス座などの星座を26,000年かけて一回りする円弧を描いてふらついている
わけです。もちろん、現在は小熊座のα星(ポラリス)が北極星の役割を果たし
ており、西暦2103年に最も天の北極に近づきます。

 また、北極星が天の北極を指しているということ(すなわち、地軸の向きを指
しているということ)は、北極星の高度が、その地域の緯度を意味することにな
ります。
 北極点で北極星を見ると高度90度(=北緯90度)、すなわち、真上に見え
ますが、赤道では高度0度(=北緯0度)、すなわち地平線(水平線)上に見え
ることになります。
 このように、北半球においては、現在地(緯度)を知る正確なナビゲータとな
ってくれるわけです。

メルマガ「星空ウォッチング」第798号より

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